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ポルシェ 911 に究極のパーソナライズ…オーナーの指紋を車体に大きく印刷

  • 《photo by Porsche》
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ポルシェは2月24日、新型『911』(Porsche 911)のフロントフード全面に、自分の指紋を大きく印刷できるカスタマイズプログラムを、2020年3月から欧州で導入すると発表した。

◆ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥールが開発

このカスタマイズプログラムは、「ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥール」が開発を手がけた。ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥールは、「独創的なカスタマイズ」をテーマに掲げている。

30人以上の専門のスタッフは、内外装を中心にカスタマイズを行う。ライト、ホイール、エンジン、ドライブトレインをパーソナライズできる。さらに、レザー、カーボン、アルミ、ウッド仕上げなど、高品質の素材と幅広い特別な色が用意されている。このカスタマイズプログラムは、およそ600種類のメーカーオプションでカバーできない顧客の要望に対応するという。

新型911では、高品質のコンポーネントと、エクステリアの特別なパッケージを手作業で仕上げることにより、さらに高度なパーソナライズを実現できる。ドイツ・ツッフェンハウゼンにある自社工場では、複数の専用オプションがラインナップされている。

◆ダイレクト印刷により指紋の車体への印刷が可能に

このポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥールが、新型911向けに設定した最新のカスタマイズプログラムが、フロントフード全面に、自分の指紋を大きく印刷できるというもの。ポルシェが開発したダイレクト印刷を使用して、高精細グラフィックを車両の塗装されたボディ面に印刷できるようになった。 当初、新型911を購入した顧客は、自分の指紋に基づいたデザインでフロントフードをパーソナライズできる。 中期的には、顧客が指定する指紋以外のデザインも印刷可能にする計画だ。

このサービスは、ポルシェセンターを通じて利用できる。ポルシェセンターでは、ドイツ・ツッフェンハウゼンのカスタマーコンサルタントと連絡を取りながら、指紋の提出から車両の完成まで、顧客とプロセス全体について話し合う。

ポルシェの顧客にとって、パーソナライズは非常に重要という。ひとりひとり異なる指紋ほど、個人的なデザインはないことから、これをカスタマイズプログラムに取り入れた。ポルシェはパートナーと一緒に、ダイレクト印刷方式を開発した。このプロジェクトでは、ツッフェンハウゼンのトレーニングセンターの塗装工場に、テクノロジーセルを設置している。テクノロジーセルでは、新しいソフトウェアとハードウェア、関連する塗装と製造プロセスが開発され、テストされた。

ダイレクト印刷により、従来の塗装では不可能なデザインを作成できるようになった。見た目の品質という点で、この新しいテクノロジーはフィルム方式よりも優れているという。ダイレクト印刷の原理は、インクジェットプリンターに似ている。プリントヘッドを使用して、塗料が立体的な車両のコンポーネントに自動的にオーバースプレーなしで塗布される。ノズルが個別に制御できるため、すべての塗料の液量を最適に調整できるという。

◆指紋データは不正な目的で使用できないように処理

制御、センサー、プログラミングというロボット技術に、プリントヘッドやグラフィックハンドリングのアプリケーション技術、ペイント技術を調和させて、ダイレクト印刷を可能にした。

ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチュールのスペシャリストは、完成したばかりの新型911からボンネットを取り外す。顧客の指紋データは、不正な目的で使用できないように処理される。

ロボットがフロントフードに指紋を印刷した後、クリアコートが施され、研磨されて高光沢仕上げとする。 その後、フロントフードは車両に取り付けられる。このサービスの価格は、ドイツ本国では7500ユーロ(約90万円)から。2020年3月から、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチュールで受注を行う、としている。