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メルセデスベンツ Sクラス の自動運転車、レベル4/5のライドシェア実用化へ…フランクフルトモーターショー2019

  • 《photo by Mercedes-Benz》
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メルセデスベンツは、フランクフルトモーターショー2019(Frankfurt Motor Show)に、『Sクラス』(Mercedes-Benz S Class)をベースにした最新の自動運転プロトタイプ車を出展した。

◆モビリティサービスの実証テストのために開発

この自動運転プロトタイプ車は、メルセデスベンツを擁するダイムラーとボッシュが、米国カリフォルニア州サンノゼで行うモビリティサービスの実証テストのために開発したものだ。両社は、自動運転車によるライドシェアの実用化を目指している。

サンフランシスコ湾南岸のシリコンバレーの中心地であるサンノゼは、人口が100万人以上に上るカリフォルニア州で3番目に大きい都市だ。ダイムラーとボッシュは、このサンノゼにおいて、高度な完全自動運転(SAEレベル4/5)のオンデマンドライドシェアサービスの実証実験を行う。

両社は、メルセデスベンツSクラスベースの自動運転プロトタイプ車を使用して、市街地とサンノゼ西部の間に位置するサンカルロス/スティーブンスクリークの特定のユーザーコミュニティに、オンデマンドライドシェアサービスを提供する。今後20年間で人口が40%増加すると予想される大都市圏は、次第に大きくなるモビリティ問題に直面している。そこでサンノゼ市当局は、自動運転車が道路を行き交う未来に向けて、準備を整えていく方針だ。

◆最新の自動運転システムを搭載

ダイムラーとボッシュは、都市環境での高度な完全自動運転の開発協力を通じて、市街地での交通の流れを改善し、路上での安全性を高め、未来の交通の仕組みにとって重要な要素を提供することを目指している。この技術が実現すれば、カーシェアリングの魅力がさらに高まるだけでなく、走行安定性を保ちながら車内での時間をさらに有効に活用したり、運転免許証を持っていない人にも新たなモビリティの機会を提供したりできるようになるという。

メルセデスベンツSクラスがベースの自動運転プロトタイプ車には、最新のシステムを搭載する。各種センサーから得られたデータを、数ミリ秒以内に評価を行う。さまざまな受信データを分析して、短時間で走行指令に変換するために、膨大な演算処理能力を備えている。

◆ダイムラーとボッシュの共同開発の成果

両社の従業員は現在、高度な完全自動運転システムのコンセプトとアルゴリズムの共同開発を進めている。ダイムラーの役割は、運転システムを車両に組み込むことだ。そのためにダイムラーは、必要な開発車両、試験場とテストフリート用車両を提供している。ボッシュは、開発作業に必要なコンポーネントとして、センサー、アクチュエーター、コントロールユニットなどを担当している。両社はテストのために、自社の研究施設とテスト装置に加えて、ドイツの各社のテスト施設を活用している。

ダイムラーのモビリティサービスが運用するオンデマンドライドシェアサービスアプリは、カーシェアリングの「car2go」、ライドシェアの「mytaxi」、マルチモーダルプラットフォームの「moovel」などのモビリティサービスを、どのようにインテリジェントに結びつけることができるかを示す役割を担う。

この試験運用により、高度な完全自動運転車をマルチモーダル輸送ネットワークに統合するための情報がもたらされる見込みだ。その目的は、特定のユーザーコミュニティが所定の乗車場所からセーフティドライバーによって管理された自動運転車に乗り、目的地まで自動運転で移動するというシームレスなデジタルエクスペリエンスを提供することにある、としている。