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未来の軽トラ? ホンダの自律移動モビリティが空港で活躍

  • 《photo by Honda》
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ホンダの米国部門は10月18日、自律移動モビリティの実験用車両、『オートノマス・ワーク・ビークル』(Honda Autonomous Work Vehicle)が、カナダの空港でデモンストレーションを行った、と発表した。

◆アタッチメントを取り付けることでさまざまな用途に活用可能
オートノマス・ワーク・ビークルは、アタッチメントを取り付けることで、さまざまな用途に活用できるプラットフォーム型自律移動モビリティの実験用車両だ。オートノマス・ワーク・ビークルは2018年のCES 2018に出展したプラットフォーム型ロボティクスデバイス「3E-D18」のコンセプトをベースに開発された頑丈で耐久性の高い電動モビリティになるという。

オートノマス・ワーク・ビークルでは、GPSによる位置情報、レーダーやライダーによる障害物検知機能、その他のセンサー類を使用して自律的に走行する。アタッチメントやツールの追加で、運搬をはじめ、さまざまな作業に活用できるプラットフォームとしているのが特長だ。

すでにオートノマス・ワーク・ビークルは、建設会社のブラック・アンド・ビーチ社と共同で、米国ニューメキシコ州の大規模太陽光発電施設の建設現場において、実証実験を行った。1か月にわたる実証実験で、機材の牽引や建設資材、水などの物資を作業現場内のあらかじめ設定した目的地まで運ぶなど、さまざまな作業の検証を実施している。

◆空港の滑走路で障害物を除去することにも成功
このオートノマス・ワーク・ビークルが、カナダ・オンタリオ州のトロント・ピアソン空港でデモンストレーションを行った。このデモンストレーションでは、オートノマス・ワーク・ビークルに搭載されたマッピングと障害物検知機能を活用。空港経営に新たな価値をもたらすために、労働力不足、安全・セキュリティ、排出量削減といった課題にどのように対処できるかを示すのが、デモンストレーションの狙いだ。

ホンダは、空港の地上業務の効率を高めるために、オートノマス・ワーク・ビークルの活用を模索している。今回のデモンストレーションでは、オートノマス・ワーク・ビークルが航空機の部品や機材を運搬・輸送。草刈機を取り付けて、空港周辺の植生を管理した。また、専用ツールを取り付けて、空港の滑走路で障害物を除去。手荷物カートやトレーラーを牽引したり、空港の周囲のパトロールも行ったりした。

オートノマス・ワーク・ビークルでは、リアルタイムの監視用カメラ、GPSによる位置情報、レーダーやライダーによる障害物検知機能、各種センサーを使用して自動運転する。ホンダは、オートノマス・ワーク・ビークルをいくつかの現場で実証実験し、計算されたルートであらかじめ設定された目的地まで物資を運ぶことに成功した。また、あらかじめ設定された地点から数cm以内に停止できることも証明している。

◆パワートレインはEVで最大積載時の航続は約45km
オートノマス・ワーク・ビークルのサイズは、全長がおよそ2900mm、全幅がおよそ1500mm、全高がおよそ1420mm。日本の軽トラックの規格の全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下に、全幅を除いて収まる。車両重量は721kgで、最大積載量は399kgとした。最大牽引重量は、トレーラー重量を含めて750kg。最小回転半径は3.9mだ。パワートレインはEVで、最大積載時の航続はおよそ45km。バッテリーの充電は120Vソケットでおよそ6時間だ。

なおホンダは、今後も米国やカナダでの実証実験を通じて、オートノマス・ワーク・ビークルを進化させていく、としている。