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大成建設など9社が西新宿で、自動運転サービス実現に向けた実証実験を開始

  • 《写真提供 大成建設》
  • 《画像提供 ティアフォー》
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  • 《写真提供 損害保険ジャパン》
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大成建設など9社は1月20日、新宿駅西口エリア(東京都)において自動運転車を使ったサービスの実現へ向けた実証実験を開始すると発表した。期間は1月22日~2月4日の1月24、25、29、30日を除く約2週間。20日、オンラインでの記者説明会を実施した。

同実験では2023年度のサービス開始を目標に、第5世代移動通信システム「5G」を活用した自動運転移動サービスの実証実験としている。参画企業は、大成建設、ティアフォー、損保ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジー、日本信号、大成ロテック、プライムアシスタンスに、実施パートナーとして加わった小田急電鉄の9社。

◆西新宿や都内の他エリアでの自動運転サービスの早期実用化を目指す
本実験では、自動運転移動サービスの事業化に向けた課題抽出を行い、採算性やニーズを分析。これを基に西新宿の移動環境の整備や地域の魅力創出に向け、5Gの利活用による実証を通じて自動運転移動サービスの可能性を探り、西新宿や都内の他エリアへの早期実用化を促すことを目的としている。当初は一般の利用も想定していたが、新型コロナウイルスの感染が急拡大していることから関係者のみの乗車だけで実験は進められることになった。

実施ルートは、新宿駅西口の地下ロータリーから都庁、新宿中央公園前を経由して、地上側の新宿駅西口中央通りで下車する約2.8km(筆者計算)ほどのコース。乗車と下車は既存のバス停留所を使用する。この間は自動運転「レベル4」相当で運行できるシステムを備えた車両を使うが、実験では安全のために運転席にドライバーが乗車する「レベル2」での運行となる。

実験では、あらかじめアイサンテクノロジーがエリアがMMS(モービルマッピングシステム:高精度GPS移動計測装置)によって収集した点群情報を基に、そこに車線や停止線などの道路情報を加えた自動運転システム用高精度3Dマップ(カーナビ用ではなく、自動運転システムにのみ使用)で走行。実験車両は走行して検知したデータとの差分を検知しながら操舵や発信/停止などを自動走行を実現する。

また、実験に使う車両はトヨタの「JPN TAXI」をベースに、ティアフォーが開発した自動運転制御システム「Autoware」やGNSS、IMU(慣性計測装置)を搭載し、センサーはLi-DARを6個、物体認識用カメラを6個、信号認識用カメラを2個併用する。

ティアフォーによれば、歩車分離・区画整理された市街地図の道路で、通行する車両がさほど多くない環境であれば大抵の場合、自動運転走行は可能なレベルに達しているという。一方で、歩車分離がされず車線がない道路では対応は難しいとし、特に中央線を超える路上駐車や歩行者自転車の追い越しが必要な場合は対応が困難だとしている。

◆車両と信号機連携で安全かつスムーズな交差点通過を支援
こうした背景の下、今回の実験では大成建設では二つのテーマが設けられた。

一つめのテーマは「インフラ協調を核とする自動運転技術の高度化」だ。ここではインフラと車両との交信にKDDIの5G通信を使い、新宿西口地下ロータリーに設置したセンサーによる発進支援や、信号情報の連携による走行支援、危険情報の連携による交差点走行支援を行う。また、反射強度の異なる塗料を用いてトンネル内での走行支援を行うのもポイントだ。

駅のロータリーでは、路側に設置されたセンサーによって車両から死角となる場所での安全運転確認を支援し、発進をスムーズに行えるようにする。これはカーブミラーを使って死角となるエリアを見えるようにするイメージだ。

信号機と車両との連携では青信号や赤信号の表示の“残秒数”を把握することで、予備減速や発進準備が行えるようになり、スムーズな交差点通過を支援する。また、5Gの活用により、西日や街路樹の影響に左右されず、安定してインフラから信号機の状況を自動運転車両に提供することも可能となる。

危険情報の連携による交差点走行支援では、対向車線の直進車や横断歩道を渡っている歩行者を検出し、5G通信を用いてインフラ側で自動運転車両が安全に右左折できる間隔を算出。車両側のセンサーで死角となる場所をインフラ側から検出して交差点での安全な右左折を支援する。

また、景色の変化が乏しいトンネル内では衛星からの電波も届かず、自車位置を見失いやすいが、ここでは反射強度の異なる塗料を壁面に塗布することで、これを車両側のLi-DARで認知。各パネルの位置を高精度マップに埋め込むことで、トンネル内での自車位置特定に役立てる。

◆遠隔操作を5G経由で行い、自動運転の社会的受容性を高める
二つめテーマが「5Gを活用した社会実装につながる事業面の工夫」だ。ここでは、自動運転がより受け入れられるよう社会的受容性を高めるのが目的だ。西新宿スマートシティ協議会や一般社団法人新宿副都心エリア環境改善委員会(エリアマネジメント組織)とも連携し、まちづくりと一体となった実証実験を実施。将来の実装を見据えたサービスモデルを検討していく。

中でもポイントとなるのが、5Gを活用して遠隔見守りや自動運転サービスに最適化したユーザー体験だ。これを運営するのは損保ジャパンで、オペレーションはプライムアシスタンスが担当。今回の実証において、「自動運転安心見守りサポートサービス」を中野坂上にあるコネクテッドサポートセンターから5G回線経由で車両制御を司るAutowareと連携して提供する。具体的には、自動運転の技術や乗車中の留意事項などを呼びかけることで自動運転車に対する乗客の不安払拭を狙うことになる。

また、実証実験では、車両に異常が発生した際にオペレーターがアラートを受信した後、乗客に呼びかけてトラブルの解消を図るデモも予定。さらに損保ジャパンは自動運転実証実験におけるリスクの洗い出しや、実証実験を安全に行うために開発中の「自動運転リスクアセスメント・デジタルリスクアセスメント」も活用する。これにより、今回の実験にあたり、走行環境のリスクを定量的かつ客観的に可視化できるようになり、提言が行えたという。