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観光地「江の島」で公道を走る自動運転バスの実証実験を実施

小田急電鉄と小田急グループの江ノ島電鉄は、神奈川県とSBドライブの協力のもと、2018年9月6日、江の島周辺(神奈川県藤沢市)の公道で自動運転バスの実証実験をスタートさせた。

この実証実験は、オリンピック種目ともなっているセーリング競技の「セーリングワールドカップシリーズ江の島大会」(2018年9月9~16日)開催に合わせて実施されるもので、会場への来場者輸送状況を検証することが目的。神奈川県では「ロボット共生社会推進事業」を推進しており、小田急グループが取り組む、バスの自動運転事業に向けた実用化についても合わせて検証する。

実証実験のルートは、江ノ電バスの運行区間を一部延長した、江ノ島海岸バス停~小田急ヨットクラブ間の1kmで、途中のバス停に停車しながら往復約15分で走行する。ルート上では一般車両や自転車、歩行者が行き交う中を、日野『ポンチョ』をベースに開発した自動運転バスが自動運転“レベル3”相当で走行する。走行中はドライバーが乗車し、必要時にはドライバーによるマニュアル運転に切り換える。

この日出席した黒岩祐治神奈川知事は、「観光客が多い公道を使って実証実験をする意義は大きい。今後の実証を繰り返すことでデータを蓄積し、東京五輪・パラリンピックの開催時には自動運転“レベル4”で無人運転バスを走らせるところまで進めたい」と述べた。神奈川県によれば「一般道での実証実験はこれまでにも数多く行われてきたが、江の島のような人の往来が多い観光地で実施されるのは日本で初めて」になるという。

自動運転バスでの運行は9月6~16日の期間限定で、関係者と予約した一般モニター約450人を含む系600人が試乗する。乗車は無料。一般モニター枠は既に予約で満席になっているが、当時になってキャンセルが出れば試乗できる可能性はあるという。