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国産初のハイブリッド連節バス「BAYSIDE BLUE」が横浜でデビュー

  • 《撮影 関口敬文》
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横浜市では、都心臨海部を走行する新たな交通として、ハイブリッド連節バスを導入し、横浜駅東口から山下ふ頭間に『BAYSIDE BLUE』を6月から運行を開始する。

BAYSIDE BLUEに使用される車両は、日野自動車といすゞ自動車が共同開発した日野『ブルーリボン・ハイブリッド連節バス』で、シャシーも含めた国産の連節バスとしては第1号車となる。

2月10日、横浜ハンマーヘッドにて、車両発表会が行われた。発表会では、まず横浜市副市長の平原敏英氏が登壇し、「横浜は赤レンガ倉庫や大桟橋など、海側に主要な施設が数多くあり、昨年秋には横浜ハンマーヘッドが開業し、4月にはパシフィコ横浜ノースも開業する予定だ。そこで、街のシンボルとなるようなデザインの連節バスを活用し、横浜駅東口から山下埠頭までの海側の施設を結ぶことで、新たな交通の軸を形成していく」と語った。

「車両と停留所のデザインの統一や、バス待ち空間や、案内機能の充実など、利用者にとってわかりやすく、使いやすい快適なバスシステムとすることで、回遊性の向上やにぎわい作りにつなげていきたい。平成30年度は過去最高の8300万人が、みなとみらい地区を訪れたが、今年はオリンピックイヤーと言うこともあり、海外からの旅行者も含め更に多くのお客様にこのエリアにお集まりいただけると考えている。現在運行している『あかいくつ』や『ピアライン』に加えて『BAYSIDE BLUE』が新たに運行することで、バスネットワークが更に充実し、観光で街を巡る人たちに横浜のよさをもっと体感していただけると考えている」

次に日野自動車車両企画部チーフエンジニア・山口誠一氏が登壇し、今回納車されたブルーリボンについて解説した。開発の際には、3つのポイントに注力したとのこと。ひとつ目は、乗務員不足を解消し、大量輸送能力を確保すること。ふたつ目は、日本の道路事情に合わせた仕様を盛り込み、点検や部品供給といったサービス性もよくすること。3つ目は環境・安全への対応を盛り込むこと。これらを実現するために、ハイブリッド型の連節バスになったとのこと。

デザインについては、落ち着いたラインやシンプルな面で構成し、様々な街の景色に調和するように作られている。大量輸送についての問題を解決するため、扉の開口部は前車室後扉、後車室後扉ともに1200mmと広く、前車室後扉は車いすの乗降にも対応している。前車室前扉についても1000mmと通常の路線バスより広い。乗車定員は一般的な路線バスの1.5倍である113人が乗車可能。運転環境については、後車室の安全確認のため各種ミラーに加え、左右の側方確認カメラや後方の確認カメラが装備され、カメラでとらえられた映像は運転席に設置されたモニターで確認が可能。

路線バスでは世界初となるドライバー異常時対応システムも搭載された。これはドライバーが気を失うなど異常事態が発生した際に、安全にバスを停止させるためのシステム。ドライバー自らが押せる非常ブレーキスイッチだけでなく、前車室、後車室にもひとつずつスイッチが用意されているため、ドライバーの異常に気付いた乗客も非常ブレーキを操作できるようになっている。

ハイブリッドパワーユニットについては、「A05C」と呼ばれる現行のハイブリッド車用が260PSなのに対し、連節バス用には「A09C」と呼ばれる新開発ユニットが搭載され、360PSとパワーアップが図られている。トランスミッションについても、現行の6段AMTから7段AMTに変更され、低燃費に貢献している。

1台当たりの車体価格は約8800万円で、ラッピング、車内のデザインやデジタルサイネージ用機材の導入などを含めると約1億円となっているとのこと。国による補助金が2分の1、横浜市の補助が4分の1あるため、採算性については見通しがたっているとのことだった。現在、4台の導入が決定しており、走行ルートもほぼ決定しているが、バス停留所の正確な場所についてはまだ検討中。10時台から19時台まで約30分間隔で運行予定だ。