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【BMW M8グランクーペ】「レーシングテクノロジー直結の究極のスポーツカー」

  • 《撮影 小松哲也》
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ビー・エム・ダブリューは1月28日、最上級クーペに高性能モデル『BMW M8グランクーペ』を新たに設定し、発売した。BMW M社のレーシング技術を駆使する一方で、ハンズオフなど最新の運転支援システムを搭載しているのが特徴。価格は2194万~2397万円。

ビー・エム・ダブリューの御舘康成プラダクトマネージャーは同日、都内で開いた発表会で「我々はこのクルマをレーシングテクノロジー直結の究極のスポーツカーと呼んでいる」と述べた。

というのも「BMWのモータースポーツチームは2018年よりM8をベースとした『M8 GTE』を開発し、ルマン24時間レースを始めとする世界の伝統と格式のあるレースに参戦して数々の好成績をおさめてきた。これは極めて異例なことで、新型車の導入の2年前から実際のモータースポーツフィールドによって技術を磨き、そしてそれをお客様にフィードバックすべくクルマに込めた」からだ。

そのレーシングテクノロジーについて御舘氏は「V型8気筒4.4リットルターボは最高出力460KW(625馬力)を発生する。実はターボの馬力は大きなインタークーラーで空気を冷やして大量に空気を送り込めばカタログ上はパワーを出すことができる。しかし、このM8のターボはあえて気筒をまたぐ形で複雑なエグゾーストマニホールドを造って独自のクロスバンク・ツインターボを実現。このクロスバンク・ツインターボは8気筒の点火順に従ってそれぞれの排気が全く干渉することなく正確にターボを等間隔に回す。その間隔は6000回転時で約0.00125秒、まさに1000分の1秒のテクノロジー」と紹介。

さらに「M8にはオプションのカーボンブレーキのほか、カーボンルーフを標準化をしている。ルーフはクルマの最上部にある。これを軽量化することは車体全体を軽くするだけではなく、クルマそのものの重心を大きく下げることに貢献する。それによってコーナーをより速く抜けることができる」とも。

その上で「M8は、カーボンブレーキを頼みにライバルよりも深くコーナーに侵入し、そのきついコーナーを重心の低い理想的なレイアウトのクルマで回り、最後にツインターボエンジンでライバルを抜き去る、そういうクルマ」と強調した。

その一方で御舘氏は、M8に注ぎこまれたレーシングテクノロジーは「サーキットフィールドだけのものではない」とも言い切る。「例えば日常の交差点を曲がる時でも、首都高のインターセクションを回る時でも、必ずお客様がよりスポーティで、自分のまるで体の延長線上のようにクルマを走らせることができる。そしてその時にドライバーは、このクルマは非常に運転しやすいと気づく。なぜならこのクルマはもともとサーキットという100分の1秒を争う世界でクルマを自在にコントロールすためのクルマだから」と御舘氏は話していた。

M8グランクーペにはレーシングテクノロジーだけではなく、最新の運転支援システムも搭載されている。ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能のほか、高性能3眼カメラ、プロセッサー、レーダーにより精度を増した運転支援システムも装備している。