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国内自治体初となる公道での自律走行バス、茨城県境町で運行…SBドライブとマクニカが協力

  • 《画像:SBドライブ》
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茨城県の境町は、SBドライブおよびマクニカの協力の下、2020年4月をめどに仏Navya社製の自律走行バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」を定時・定路線で運行。自治体が国内で初めて自律走行バスを公道で実用化する。

境町は、SBドライブが保有するナンバー取得済みのNAVYA ARMAと、同社の自動運転車両運行プラットフォーム「ディスパッチャー」を活用して、町内の医療施設や郵便局、学校、銀行などをつなぐ往復5kmのルートで自律走行バスの運行を開始。その後、NAVYA ARMAの販売代理店契約を結ぶマクニカから、同車両3台を購入し、夏頃をめどにこれらの車両での運行に切り替える予定だ。

ディスパッチャーは、複数の自動運転車両の運行を遠隔地から同時に管理・監視できるプラットフォーム。乗客の着座前発進や走行中の車内移動などをAI(人工知能)で検知して、遠隔監視者や乗客に注意喚起を行うことができる。さらにそれらの事象が過去に発生した箇所や回数を地図上で確認して運行ルートや車両設定の改善に利用できる機能や、出発地と目的地を指定して遠隔地から車両に走行指示を出す機能などを備えている。

NAVYA ARMAは、11人乗りのEVバス。GPSなどで自車位置を測定し、3D LiDARなどで障害物を検知して、あらかじめ設定したルートを低速で自律走行できる。走行速度やセンサーによる障害物の検知範囲などは、SBドライブが走行環境に合わせて設定。走行情報は、SBドライブが提供する自動運転バス運行プラットフォーム「ディスパッチャー」と連携可能で、遠隔地から走行の監視や車両の停止・発進、運転手への指示などを行うことができる。

SBドライブは、町内のシェアオフィスにサテライトオフィスを開設。初期段階では、SBドライブ社員がバスの運行を請け負う事業者のドライバーにサテライトオフィス内でトレーニングを行い、ディスパッチャーを活用したバスの運行管理をサポート。また、自律走行のためのルート設定や、障害物などを検知するセンサーの設定なども行う。

マクニカは、自律走行のために搭載されたさまざまなセンサーから取得した情報を基に周辺環境を自動運転ソフトウエアで認知・判断して走行する自律走行車両NAVYA ARMAを境町に提供するほか、境町が車両を購入後も安定的にバスを運行できるよう、ソフトウェアのサポートを実施。また、各種センサーのメンテナンスを行うほか、車両本体については地元の車両整備工場と連携して、境町での自律走行バスの運行を全面的に支援する。

境町では、高齢化に伴う免許返納者の増加や鉄道の駅の不足、バスやタクシードライバーの不足などの課題を抱えており、移動手段の拡充が喫緊の課題だった。境町は両社の協力の下、自律走行バスを運行させることで、住民が便利に移動できる環境を構築することを目指す。また3者は、新しいモビリティサービスを通して、地域および産業の活性化と町民サービスの向上に取り組むための連携協定を締結。共同で町の発展に取り組んでいく予定だ。