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名古屋大学COI、高齢者にやさしいモビリティ向け自動運転ソフト初公開…名古屋オートモーティブワールド2019

  • 《撮影 小松哲也》
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名古屋大学COIは9月18日にポートメッセなごやで開幕した第2回名古屋オートモーティブワールドに自動運転に必要な走行機能を開発するためのソフトウェアを世界初公開。自動走行可能な実験車両と公道実証実験での実利用例や機能を同時に展示している。

名古屋大学未来社会創造機構の赤木康宏特任准教授は「私たちはこれまで、オールドニュータウンといわれる設立から40-50年以上が経過した住宅団地に住んでいる方が高齢になって免許返納した後の移動手段として自動運転車を提供できないかということを研究してきた。オールドニュータウンは坂が多くバス停まで行くのも大変なことから、自宅からバス停または近くのスーパーまでといった非常に短い距離、2-3km以内の移動手段を考えようとしている」と開発の背景を語る。

「すでに様々な地域で自動運転の実証実験を自治体と一緒になってやってきたが、その中でソフトウェアの完成度が高まってきたので、自動運転をするためのソフトウェアを提供するサービスとして今回、初公開することにした」とのことだ。

その内容は「自動運転車の様々なセンサーや地図データを処理するためのソフトウェアをひとつの製品として出そうとしていて、車種に依存しない汎用的なソフトウエア」で、仕組みは「道路周辺にある建物や電柱の形などを事前に計測して3次元地図データを作成し、その地図データと自動運転車に搭載されたライダーが検知した周辺の形状とを合わせることで自車の位置を認識し、直線道路であればまっすぐ進み、カーブに差し掛かればそれに応じてハンドルが動いて曲がるように制御する。またライダーで自車走行線内に人や障害物を認識すると止まるよう判断する」というものだ。

このソフトウェアはオールドニュータウンに住む高齢者向けの移動手段にとどまらず「例えば工場や物流拠点など公道ではない施設内での自動運転はかなり有望だと思っている」と、赤木特任准教授は話していた。