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【ホンダ N-WGN 新型】進化したホンダセンシング…夜間歩行者と飛び出し自転車の検知性能

  • 《写真提供 ホンダ》
  • 《撮影 中尾真二》
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新型ホンダ『N-WGN』発売に先立ち、栃木県のホンダのテストコースに報道陣が招かれ、進化したホンダセンシング(HondaSENSING)の新機能のデモンストレーションが行われた。披露された新機能は横断自転車認識機能が追加された衝突軽減ブレーキ(CMBS)。

予定では、照明なしの夜間歩行者検知機能のデモも行われる予定だったが、暗くなってから降り出した雨によってデモは中止になってしまった。本来であれば、街灯がない状態のテストコースでCMBSが横断歩行者を検知して停止するという実験が行われるはずだった。

◆JNCAP対策にならない安全性能

JNCAP自動車アセスメントでは、すでに街灯がある状態での夜間横断歩行者の衝突回避性能を評価する基準がある。街灯がない暗闇での歩行者検知機能の評価については、近々JNCAPにも導入されるはずだが、ホンダではそのテストを先取りする形で市販車両の衝突軽減ブレーキを対応させた形になる。

ホンダは、「アセスメントや検査のための安全性能を追求しない」として、独自の安全基準を設定している。検査をクリアするためだけの機能を実装したり、性能をチューニングしても意味がないというポリシーを貫いている。

夜間歩行者検知については、事前に撮影した動画での確認のみとなった。照明がない状態だと、遮蔽物がなくても、ヘッドライトのエリアに突然歩行者が現れる形となる。これを検知するには、見えていない暗闇の歩行者の存在を認識する必要がある。新型N-WGNでは、『N-VAN』に搭載された夜間歩行者認識(照明あり)機能を性能強化することで、これを可能にしている。

◆夜間性能はソフトウェアで向上

性能強化は、ハードウェアの変更なしに、カメラの画像認識ソフトウェアの改良によって実現されている。カメラハードが同じなら認識性能の向上は小さいのでは、という疑問が湧くかもしれない。

しかし、現在、各社の衝突被害軽減ブレーキに搭載されているフロントカメラの感度は高く、夜間性能向上のため、赤外線領域も撮影できるものが搭載されていることが多い。スマートフォンのカメラの夜景モードがきれいに撮れるのも、画像処理ソフトウェアの賜物で、カメラ本体の性能は新しいもので標準的な価格のものなら関係ない。

ホンダセンシングの場合、『N-VAN』ですでに夜間歩行者検知が可能になっているので、同じハードウェアでも、ソフトウェアのアルゴリズム改良によって、照明なしの状態で十分な検知性能をだすことができる。

◆直交する歩行者はミリ波レーダーがキャッチ

N-WGNは、CMBSが横断自転車にも対応できるようになった。これは、ホンダ車としては初の機能となり、軽自動車の中でも初となる機能だ。直交する方向で移動してくる自転車を検知し、衝突すると判断したら警報とともに自動ブレーキをかけてくれる。

夜間歩行者の検知はカメラが担っていたが、横断自転車の検知はミリ波レーダーが行う。先ほど述べたように、カメラ性能はかなり向上し画像処理技術(夜間、高コントラスト、各種補正)も進んでいる。現在のADASや自動運転が実現している機能なら、高いLiDARや電波を反射するモノの有無しかわからないレーダーを利用せずとも、カメラのみで十分という考え方もある。

ホンダはあえてミリ波レーダーを使っている。レーダーの場合、電波の回折によって壁や車に隠れた物体を検知できる可能性がある。また、障害物が車の場合、地面とボディの隙間から動く物体を検知できることもある。

◆雨模様ウェット路面でも実験は成功

テストコースで行われたデモでは、30km/hで走行するN-WGNが、コースに直交する形で15km/hで移動するダミー自転車と人形を検知し、自動ブレーキをかけるという実験が行われた。当日は雨模様で濡れた路面の関係で、実験は1回しか行われなかったが、N-WGNはダミーに衝突することなく、減速した。

テストコースは全体が平地で車両もダミーも終始見通せる状態だった。実際の道路なら障害物や遮蔽物などがあるはずだ。どれくらいの距離で検知すれば衝突を回避できるか聞いたところ、30メートルほど手前で直交してくる自転車を検知できれば間に合うはずとのことだ。30km/hならば約8秒で進む距離だ。つまり8秒先の状況を読んで事故を回避してくれる可能性があるということだ。

実際の道路では、もっと悪い条件が想定されるので、過信は禁物だが、レーダーは可能なかぎり手前から横断自転車を検出し、自車と自転車の速度から衝突の可能性を判断してくれる。人間の見落としをカバーしてくれる可能性はある。