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【ホンダ N-WGN 新型】主戦場、軽自動車マーケットの第2ラウンドは安全性

  • 《撮影 中尾真二》
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  • 写真提供:ホンダ広報
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ホンダは7月18日、『N-WGN』新型を8月9日に発売すると発表した。“売り”は、日常の足としての機能性と運転のしやすさ、そして安全性能。シンプルデザインをコンセプトとする外観に似合わない多くの特徴を持っている。

車両ラインナップは、「N-WGN」と「N-WGNカスタム」の2種類。それぞれのモデルに「G」、「L」、「Lターボ」の3種類(N-WGNには助手席回転シート車の設定もある)のタイプが用意された。駆動方式はすべてのタイプでFFと4WDが選べる。エンジンはDOHC直列3気筒のS07B型。排気量は660cc。トランスミッションはトルクコンバータ付きのCVT。ターボ車にはステアリングコラムにパドルシフトがつき、7段の切り替えが可能だ。

動力性能は、GとLが43kW(58PS)/7300rpm、6.5N・m(6.6kgf・m)/4800rpm。L・ターボが47kW(64PS)/6000、10.4N・m(10.6kgf・m)/2600rpmとなっている。

インテリアや装備はどのタイプも大きな違いはなく、GタイプはヘッドライトにLEDの設定がなく、ハロゲンランプとなり、フロントウィンドウのUVガラスに赤外線遮熱機能がない。オートエアコンにプラズマクラスターがつかない。シートバックポケットがない。といった程度だ。

N-WGNカスタムは、より上質感を出すため、フロントマスクが角目LEDヘッドライトとなり、ターンシグナルがシーケンシャルとなり、LEDポジションランプも装備される。フロントバンパーはドレスアップパーツにように精悍な形となり、サイドシルもエアロパーツが装着される。また、アンテナがロッドタイプではなくフィンタイプだ。カラーリングやシート素材もカスタム専用の高級感のある色、素材がラインナップされる。

安全装備も強化される。ホンダセンシング(HondaSENSING)は、新型車両には原則すべて標準装備となる流れとなっており、N-WGNも全車標準装備(ホンダセンシングなしオプションも可能)だ。N-WGNでは、衝突軽減ブレーキ(CMBS)の夜間歩行者検知機能が強化され、照明のないところでも歩行者検知をするようになり、自動ブレーキの作動範囲が広がった。また、横断自転車の検知機能も追加された。また、ホンダの軽では初となる渋滞追従機能付きACCが装備され、オートハイビームがデフォルトオートの設定となった。

『N-BOX』は、軽自動車としては早い段階でJNCAPの衝突実験評価で5つ星を獲得している。N-WGNについても、ホンダ社内での実験、評価ではN-BOXと同レベルの衝突安全性能を実現しているという。

ユーティリティでは、運転席・助手席周りを中心に、普段使うドリンクホルダー類、スマホやサングラスなどの小物と、保管がメインの車検証などの収納を分けて考えられている。後席のスペースも大人4人乗車でも足が楽にできる広さを確保している。リアシートにアンダートレイが復活しているのもうれしい。

ラゲッジスペースは、ハイとボディを生かして2段シェルフにすることで、スペース効率を上げることができる。スーパーのレジカゴ(最近は持ち帰れるカゴがある)なら2つならべてシェルフに乗せることができる(耐荷重50kg)。シェルフを収納すれば、タイヤ4本(灯油ポリタンクでも4つ)を積むことができる。

以上がN-WGNの主な特徴だが、日産がデイズで普通車なみの内装や静粛性、プロパイロットという先進機能を投入し、軽自動車の新しい競争が始まった感がある。農作業や主婦のセカンドカーとしての軽自動車から、ファーストカーとして普通車の市場に浸透する豪華装備、高性能の軽自動車の台頭が第1ラウンドとするなら、日産『デイズ』・三菱『eKワゴン』のオートパイロット搭載や、今回のN-WGNのホンダセンシングの強化、事故安全対策に見られる安全機能の競争は、第2ラウンドといえそうだ。

ADAS装備やレベル2自動運転、普通車なみの豪華内外装は、ほぼ一巡し、各メーカーも差別化しにくくなってきた。今後は軽自動車のJNCAP評価がひとつの差別化ポイントになるかもしれない。

国内の新車販売台数の4割が軽自動車となり、ユーザーもファーストカーとして軽自動車を選ぶ時代だ。この流れはしばらく続きそうで、新車販売の5割が軽という時代がきてもおかしくないくらいだ。いずれにせよ、それによって軽自動車が進化し、より安全・快適になるのは悪いことではない。