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アルファロメオ、観音開きドアのクーペ『クオーレロッソ』を世界初公開…パリモーターショー2026

  • 《photo by Alfa Romeo》
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アルファロメオは「パリモーターショー2026」で、観音開きドアを持つ2+2クーペのコンセプトカー『クオーレロッソ(Cuorerosso)』を世界初公開した。

クオーレロッソは量産モデルの先行公開でも単なるスタイリング研究でもなく、ブランドの未来の方向性を示す「マニフェスト」と位置づけられている。「赤」「イタリア」「スポーティネス」という3つの柱を軸に、アルファロメオのアイデンティティを現代的な解釈で再構築した。

◆デザイン哲学「ベッレッツァ・ネチェッサリア」
アルファロメオが掲げるデザイン哲学「ベッレッツァ・ネチェッサリア(必要な美しさ)」は、余分なものを排除し本質だけを残すという考え方だ。美しさ・機能性・技術・品質を一つのデザイン言語に収束させる。

アルファロメオのデザインチーム「チェントロ・スティーレ」は、初期スケッチからわずか1~2週間で3次元モデリングに移行。ホイールやガラス、細部を省いた一枚岩の塊として彫刻するように形を削り出した。その結果、液体金属を思わせる連続した面が生まれ、静止状態でも動きとダイナミズムを感じさせる造形となった。

◆伝統のデザインを現代的に解釈
クオーレロッソは2+2クーペで、全長4700mm・全幅1980mm・全高1331mm・ホイールベース2930mm・車両重量1750kgというスペックを持つ。空力係数(Cx)は0.28を達成した。

エアロダイナミクスは、純粋で途切れのないボディ形状、往年のアルファロメオ車を思わせるコーダ・トロンカ(切り落とし型テール)、ボディに組み込まれた低位置ディフューザーの3要素で構成される。

フロントには伝統的な「トリロボ」と「スクデット」を現代的に再解釈したデザインを採用。スクデットはボンネット上に広がり、水面を走るボートの航跡をイメージした造形だ。グリルには小さな三角形の発光エレメントが織り込まれ、クロスとビシオーネという歴史的シンボルと呼応するライトシグネチャーを形成する。

リアにはスクデット形状のリアウインドウを配置し、コーダ・トロンカには2つの円形ライトを収める。ドアは屋根のタッチコントロールで開閉する仕組みで、後部ドアは風に向かって開く観音開き式を採用した。

ホイールはアイコニックな「テレフォン」デザインを現代的に再解釈し、3本スポークに6つの円形エレメントをスクデット形状の三角形の溝とともに配置。チタンインスパイアードのカラー処理を施した。

◆『33ストラダーレ』にインスパイアされた内装
インテリアは1967年製『33ストラダーレ』のダッシュボードアーキテクチャーからインスピレーションを得た。薄く水平に伸びるダッシュボードが軽さと安定感を演出し、ドアパネルへと連続することで視覚的な広がりを生む。

「カンノッキアーレ・ヴィヴェンテ(生きた望遠鏡)」と名付けられた計器クラスターは、「イマーシーボ(没入型)」と「コンチェントラート(集中型)」の2つのモードを持つ動的インターフェースだ。走行への集中度が高まるにつれ、表示情報が絞り込まれる仕組みになっている。

センタートンネルには「マグマ・ディスプレイ」を配置。デジタルタッチ面とロータリーダイヤル、ドライブモードセレクター、トグルスイッチを組み合わせたフィジタル(物理+デジタル)コントロールセンターだ。

ドライビングモードは「クルーズ」「スポーツ」「クアドリフォリオ」の3種類。ステアバイワイヤ式電子制御ステアリングを採用し、触覚・音響フィードバックによるアナログ感覚も維持している。

◆ヨットレースから生まれた素材も
ボディカラーは新色「リキッド・インク・レッド」を採用。微細なアルミベースと着色透明層の組み合わせにより、液体金属と白熱した溶岩の間を漂うような視覚的深みを生み出す。光の当たり方によって色が変化し、内側から発光しているような印象を与える。

インテリアには、ポルトローナ・フラウのヌバックを乗員が直接触れる部分にのみ使用。また、高級内装材の製造工程で生じる産業廃棄物を60%含む再生レザーを新世代素材として採用した。

ダッシュボードには、ヨットレースチーム「ルナ・ロッサ」との共同研究から生まれた軽量・透明・テンション型のモノフィラメント素材を使用。高性能外洋帆走の技術ウェアから着想を得た素材だ。

◆全方位パワートレインに対応、「クアドリフォリオ」も
クオーレロッソはフルEV・プラグインハイブリッド・マイルドハイブリッド・フルハイブリッドに対応するマルチエネルギーアーキテクチャーを前提に設計されている。パフォーマンスの頂点として、2.9 V6フルハイブリッドパワートレインにQ4四輪駆動・トルクコンバーター・カーボンファイバードライブシャフトを組み合わせた構成が想定されている。

将来のラインナップは全長4.7m以下のモデルを中心に主要セグメントをカバーし、「クアドリフォリオ」バージョンの設定も視野に入れている。

アルファロメオ・マセラティCEOのサント・フィチリ氏は「クオーレロッソによって、このアイデンティティを未来へと持ち込む。技術・機能・品質は常に感情とドライビングプレジャーのために存在する。これが我々の考えるベッレッツァ・ネチェッサリアだ」と述べた。