注目の自動車ニュース

VWグループ、中国向けレベル2++運転支援システム「HS8」を市場投入…7車種に搭載

  • 《Photo by VW》
  • 《Photo by VW》
  • 《Photo by VW》

フォルクスワーゲングループは、中国市場向けに自社開発した初の全シナリオ対応レベル2++高度運転支援システム「HS8(ハイパーセンス8)」を搭載した車両を中国市場に投入した。

HS8は、カリアド(CARIAD)とホライゾン・ロボティクスの合弁会社のカリゾンが開発したシステムだ。都市部の複雑な交通環境において、スクーターの割り込みや消えかけた車線標示、突然停車する配送車など、予測困難な状況にも対応できる運転支援を目指して設計されている。

■AIが複雑な交通状況を素早く判断
HS8の中核となるのは、カリゾンが開発した「ハイパーセンスAIモデル」だ。このモデルは、周囲の認識と判断を一つのエンドツーエンドシステムに統合している。交通状況の各要素を個別に処理するのではなく、場面の流れと車両の応答をまとめて学習する仕組みで、実際の走行条件下では0.16秒以内に判断を下すことができる。

モデルの学習と検証には、カリゾンのデータ・シミュレーションプラットフォーム「GAIA 2.0」を使用する。このプラットフォームは、公道での再現が困難または危険なまれなシナリオを含む多様な仮想交通状況を生成できる。エンジニアは最大3000万件のシミュレーション走行シナリオでシステムを訓練し、顧客に届ける前に応答を精緻化することが可能だ。

HS8は「アーバンNoA(Urban Navigate on Autopilot)」に対応しており、複雑な市街地や高速道路での走行をサポートする。右左折、合流、交差点通過、車線変更などの操作を支援する。レベル2++システムであるため、常にドライバーの監視下に置かれ、ドライバーが責任を持ち、いつでも介入できる状態を維持する必要がある。

■「中国で、中国のために」開発
HS8は「イン・チャイナ・フォー・チャイナ」の開発方針を体現している。ソフトウェアは世界有数のダイナミックな自動車市場である中国の道路状況、交通パターン、顧客ニーズに合わせて開発・検証されている。

カリゾンは自社のソフトウェア開発・システム統合能力と、ホライゾン・ロボティクスのAIモデルおよびジャーニー6シリーズの演算ハードウェアを組み合わせている。カメラのみを使用する構成と、LiDARを追加した構成の2種類に対応する。

■7車種に展開、2027年以降さらに拡大
最初にHS8を搭載するのは、SAICフォルクスワーゲンの「ID.ERA 5S」で、LiDARなしのカメラベース版を採用する。続いて「ジェッタM6」が搭載予定だ。LiDAR搭載の最初のモデルはFAWフォルクスワーゲンの「ID.AURA T6」で、同システム初のバッテリー電気自動車となる。「ID.UNYX 06」と「ID.UNYX 07」のLiDAR版にも搭載される。

今年中にフォルクスワーゲングループ・チャイナの合弁会社が展開する新エネルギー車7車種へのレベル2++技術搭載が計画されている。2027年からはLiDARベースのソリューションを、共通電子基盤であるCEA(チャイナ・エレクトロニック・アーキテクチャ)を採用するさらに多くの車種へ拡大する予定だ。