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マクラーレン、825馬力のセナ「GTR」発表…究極のサーキット専用車

マクラーレンオートモーティブは3月8日、マクラーレン『セナGTR』(McLaren Senna GTR)を発表した。

セナGTR はF1ドライバー、故アイルトン・セナの名前を冠したスーパーカー、マクラーレン『セナ』をベースに開発されたサーキット専用車となる。2018年春、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2018において、コンセプトカーの『セナGTRコンセプト』が発表されていた。このコンセプトカーをベースに開発を進めて今回、究極のサーキット専用車、セナGTRが発表された。

◆空力性能の追求により1000kgを超えるダウンフォースを獲得

セナGTRではロードカーに対して、サーキットに特化したエアロダイナミクス性能を追求する。カーボンファイバー製のボディは、フェンダーをよりワイド化。フロントスポイラーは、ロードカーに比べて大型化され、リアのディフューザーも大きく長くなり、より後ろまで伸ばされた。リアデッキは、マクラーレン車の中で最も低い位置にあり、エアロダイナミクス性能とクーリング機能を向上させる。

アクティブリアウィングの性能も最適化した。ウィングをディフューザーからのエアフローに合わせることで、空力効率を向上させ、低速時により大きく、よりアクセス性の高いダウンフォースを追求する。これらの変更により、1000kgを超えるダウンフォースを獲得している。

また、ヨーイングにおいて最適化されたエアロダイナミクス性能が、より安定したコーナリングを可能にする。また、その一方でピッチングの感度を低く抑えることにより、ブレーキの安定性を向上させているという。

◆レーダーアシストの追突回避システムを標準装備

さらに、セナGTRでは、マクラーレンのGT3カスタマーレーシングプログラム用に作られたシステムをベースに開発されたスプリング、ダンパー、アンチロールバーを搭載する。サスペンションはダブルウィッシュボーンとした。ロードカーにも導入されたピレリ製レーシングスリックタイヤは、3Gを超える重力加速度に対応するとともに、最大減速度を20%上昇させるという。

インテリアには、エアバッグやインフォテインメント・セントラルスクリーン、折り畳み式のドライバー用ディスプレイは装備されない。その一方で、ギアシフトコントロールが組み込まれた、新開発のレース用ステアリングホイールが、装着される。この他、エアコンとレーダーアシストの追突回避システムが標準装備された。

◆825psの4.0リットルV8ツインターボを1188kgの軽量ボディに搭載

セナGTRでは、軽量かつ高剛性なカーボンファイバー製のモノケージを、ロードカーと共用する。そのミッドシップには、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載しており、サーキットでのさらなるパフォーマンスを目指して強化された。最大出力はロードカーの800psから825psへ、25ps引き上げられた。最大トルクは81.6kgmに据え置かれる。乾燥重量は1188kg。マクラーレンオートモーティブによると、これまでに生産されたマクラーレン車の中で、最軽量な1台のひとつになるという。

セナGTRは2019年9月から、世界限定75台の納車を開始する予定。価格は110万ポンド(約1億5865万円)だが、75台はすでに完売している。