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1台限り、鏡面仕上げのマセラティ…『グラントゥーリズモ』新型のEVがベース

  • 《photo by Macerati》
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マセラティ(Macerati)は4月20日、2ドアクーペ『グラントゥーリズモ』新型のEVをベースにした1台限りの「ワンオフ・ルーチェ」を、イタリアで開催中の「ミラノデザインウィーク2023」で初公開した。

◆鏡面仕上げ「クロマティック・ミラー・モノリス」
ワンオフ・ルーチェは、新型グラントゥーリズモのEV「フォルゴーレ」がベースだ。マセラティの絶え間ない研究開発を反映した革新と持続可能性を表現することを目指した。ボディはレーザーエッチングパターンで彫刻。「クロマティック・ミラー・モノリス」と呼ぶ鏡面仕上げが施される。

インテリアの素材には、「ECONYL」 を使う。この再生ナイロンを、ダッシュボードやトリムパネルに使用した。レーザー加工テクノロジーと組み合わせて、ダイナミズムを表現している。

モノクロームのブルー内装は、持続可能な素材が生まれた海を思い起こさせるのが狙いだ。シートの形状は、中央部分に施されたグラフィックによって強調されており、対照的なグラデーションの裏打ちが施されている。

◆760hpのトリプルモーター搭載
グラントゥーリズモ・フォルゴーレには、3つのモーターを搭載し、システム全体でおよそ760psのパワーを引き出す。バッテリーの蓄電容量は92.5kWh。バッテリーパックは、車両のフロア下にT型に配置されている。

グラントゥーリズモ・フォルゴーレは、世界最高峰のEVレース「フォーミュラ E」で培われたテクノロジーを導入して開発された800ボルト技術をベースにしている。出力300kWの強力な永久磁石モーターを3基搭載し、優れたパフォーマンスを追求している。

バッテリーの放電容量は560kWで、これにより連続的におよそ760psのパワーをタイヤに伝達することが可能になった。このバッテリーの仕組みと配置により、スポーティさを損なうことなく、車高を1353mmに抑えることができたという。

◆バッテリーはセンタートンネル周辺に配置
また、Tボーンと呼ばれるバッテリーパックの形状は、マセラティの「ゼロ・コンプロマイズ(妥協を一切しない)」アプローチの一環。バッテリーモジュールをシート下に配置せず、主にセンタートンネル周辺に移動させることにより、車高を大幅に下げることに成功したという。

技術的な構造面では、アルミニウムやマグネシウムなどの軽量素材と、高性能スチールの両方を使用している。この複数の素材を使用するという手法には、新しい製造プロセスが必要。その結果、クラス最高の重量レベルが実現されたという。

このアプローチは、最大 0.002 秒の速度で送信される canFD メッセージに基づく新しいアトラス・ハイ電気/電子構造と組み合わされている。また、レベル5の高度なサイバーセキュリティと「フラッシュ・オーバー・ザ・エア」機能を備えている。その支柱となるのが、マセラティが自社開発した「VDCM(ビークル・ドメイン・コントロール・モジュール)」マスターコントローラーだ。これは、あらゆる状況下で最高のドライビング体験を実現するために、重要な車両のシステムを360度コントロールするソフトウェアで構成されている。

◆マセラティの象徴的なエンジン音をEVで再現
また、マセラティ・イノベーション・ラボのエンジニアによって、電動モデルでもマセラティの象徴的なエンジン音による360度のサウンド体験を可能にした。このサウンド体験は、「ソナス・ファベール(Sonus faber)」の3Dサウンドシステムによって完成される。

イタリアの音響職人によって設計・製造されたこのオーディオシステムは、2段階のカスタマイズが可能だ。標準装備のサウンドシステムの14スピーカー、出力860Wに対して、最大19個のスピーカーと最大1195Wの出力を持つ3Dサウンドにより、奥行きのあるサウンドを実現したという。