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【日産 セレナ 新型】「日産デザインに一本芯が通った」未来的造形でライバルに差

  • 《写真撮影 中野英幸》
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◆ノアヴォク、ステップワゴンとは別方向の新デザイン
トヨタ『ノア/ヴォクシー』(2022年1月発売)、ホンダ『ステップワゴン』(2022年5月発売)のフルモデルチェンジに続いて、3大ミドルクラスミニバンにおいては最後発となった日産自動車の新型『セレナ』。面白いことに、ド派手顔をさらに極めたノア/ヴォクと、初代の顔へ原点回帰したステップワゴン、そして、先進的イメージが強くなったセレナ、と、見事にそれぞれ方向性がばらける結果となった。ただ、デザインは通常、発売の2~3年前には決定しており、当然、お互いを見てからデザインを考えたわけではない。

近年の日産車のデザインには、「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」という考えが取り入れられている。半永久的に飽きることがなく、日本的な美意識をもちながらも先進性を加味していく、というもので、タイムレスだけではクラシカルでオーソドックスに感じられてしまうため、日本的な美意識や先進性を加えることで、電動化時代にふさわしいデザインにしているようだ。

2020年5月に行われた、「2019年度決算・事業構造改革計画発表記者会見」で明らかにされた15車種の新モデル「A to Z」は、この「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」に沿って、デザインの方向性を一気に揃える、という動きの一環だったという。

新型セレナのデザインに関して、新型セレナを含む昨今の日産車全般のデザインを統括する、日産自動車 グローバルデザイン本部 第二プロダクトデザイン部 プログラムデザインダイレクターの入江慎一郎氏に伺ったところ、新型セレナのデザインは、歴代セレナの長所である、「Big」「Easy」「Fan」という3つのコンセプトをさらに伸ばしつつ、家族が限られた時間を最大限楽しめるよう、性能や使い勝手を磨きあげたそうだ。

◆未来的なフロントマスクと、デザイナーのこだわり
新型セレナのエクステリア最大の魅力は、やはりフロントマスクだろう。横基調となっているクロムバー塗装のVモーショングリルは、上の3段にヘッドランプのアウターレンズが並べられており、明るい時間は大きなVモーションに見え、夜間になると縦に光るライティングとなる。2代目エルグランド(E51)、そして現行エルグランド(E52)の前期型も、こうしたビレットグリル調の表情をしていたが、新型セレナでは、まとまりとスマートさが感じ取れ、かなり未来的なフロントマスクとなっている印象だ。

また、バンパーの両サイドにはエアカーテンを用意。ホイールハウス内へ空気を流し、フロントタイヤ真横の気流を整えることで、燃費性能の向上や、直進安定性の改善を狙ったという。先代セレナでは穴が貫通していないダミー形状であったが、新型セレナは、ただ単に加飾ではない、実際に効果のある形状を考えながら設計したそうで、ミドルクラスミニバンの弱点である横風安定性に対して、大いに効果があったという。

また、ヘッドライトからウィンドウライン下を通り、リアでキックアップする長いシュプールラインは、特にキックアップ部分が先代とそっくりすぎて、一見では新型セレナだと見分けがつかないほど。「セレナ」としてのDNAを大切にし、しっかりと新型に受け継いでいるのがわかるポイントだ。

ちなみに入江氏によると、新型で一番やりたかったのは、先代セレナの「ハイウェイスター」についていた、サイドドア下端の拡幅パーツの排除だったという。5ナンバーの通常モデルに対し、ハイウェイスターは拡幅して3ナンバーサイズとなるが、新型セレナでは、拡幅をサイドシルにエアロパーツをつけることで実現しており、ドアからシルまでをすっきりとさせ、シームレスにまとめることに成功。また、サイドスポイラーの中央にキャラクターラインをつけたのは、ダイナミックさの表現と、前席乗降性の向上を狙ってのことだという。

日産によると、ハイウェイスターの販売予定比率は80%を見込んでいるというが、ライバルは全てを3ナンバー車とし、5ナンバー車は廃止している。5ナンバーか3ナンバーかで選ぶ顧客も減ってきたように思うが、両サイズを残したことの影響がどこまで現れるかは、今後注目していきたいポイントだ。

◆「スマホのようなディスプレイデザイン」を目指した
インテリアは、ダブルステッチの入ったドアトリムのアッパーやインストルメントパネル、幅広いウッド調の化粧板が装着されたダッシュボード上部の加飾によって、前方視界は先代セレナよりも広々と感じられる。インパネは、凹凸の少ないシームレスなデザインだが、多くの収納が隠されており、使い勝手とすっきりとしたデザインをうまく両立させている。

そして目を引くのが、『ノート/ノートオーラ』、『アリア』など、昨今の日産車で採用されているメーターディスプレイとセンターディスプレイとを一体化したお馴染みの「モノリス」だ。画面幅も大きく視認性が高いので、使い勝手も抜群。中央モニターはアリアと同じ12.3インチサイズだという。

また、新型セレナでは、ボタン式の電制シフトを日産車として初採用している。ボタン式の電制シフトは、他社車でもやっているが、日産のスイッチは非常に小さく、主張をしない四角いボタンとしている。なお小型化したことで、前席の足元スペースが広く取れ、横移動が改善したそうだ。

シートは、前席ヘッドレスト形状を細身で縦長形状に工夫したことで、2、3列目からの視界を向上。シート素材には、光沢のある布を使用し、見た目の高級感と、凹凸を少なくかつ汚れをさっと拭きとれるようにしたそうだ。お子さんが蹴ってもさっとふきとれるように、というお母さんのリクエストをとりいれたそう。

ミニバンといえば、1列目から2列目への前後ウォークスルーが特徴だが、ガソリン仕様はフラットなフロアとなっていたものの、e-POWERでは10センチほどの突起(e-POWER用のバッテリーが下にいる)があり、スムーズなウォークスルーが難しい。LUXION(ユニットはe-POWER)では、2列目に特別感を出すためか(LUXIONは7人乗りでキャプテンシートのみ)、固定の大型センターコンソールがあるため、そもそもスルーができない。

1列目から2列目への前後ウォークスルーは、雨の日や子供の世話をするときなどに大変便利。新型ステップワゴンや新型ノア/ヴォクシーもハイブリッドは突起があるが、是非、先のセレナでブレークスルーしてくれることを期待したい。

◆日産デザインに一本の太い芯が通った
一昨年のアリアから始まり、ノート/ノートオーラ、『サクラ』、『エクストレイル』、そして新型セレナと、近年の日産車には、デザインに一本の太い芯が通ったように思う。特にインテリアに関しては統一感があり、コストをふんだんに使ったデュアルモニターだけでなく、細かな部分のつくり込みが、非常によくできていると感じる。

このデザインが、市場にどのように受け入れられるか、今後のミドルクラスミニバン市場の動きが非常に楽しみだ。