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三菱 デリカ 50周年…デリバリーカーからユーザーの行動範囲を広げるクルマへ

  • 《撮影 内田俊一》
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1968年7月に三菱『デリカ』はキャブオーバートラックとしてデビューし、まもなく50周年を迎える。デリカとは“デリバリーカー”を由来とし、様々な道路状況において確実に乗員や荷物を目的地まで運ぶクルマを一貫したテーマで長くユーザーに支持されてきた。その各モデルを振り返ってみよう。

◇意外とこだわりのエクステリア…初代

この50年で5世代とそれぞれ長いライフサイクルを持っているデリカ。「それだけ各世代が長く愛されてきたということだ」とは、三菱商品戦略本部チーフプロダクトスペシャリストの大谷洋二氏の弁。

初代デリカは1968年7月に高度経済成長時代の物資輸送を担い、600kg積みのキャブオーバートラックとして登場。「当時はボンネットタイプのトラックが主流だったが、デリカは積載能力のアップや居住性、小回りを考えキャブオーバータイプを採用した」と大谷氏。1.1リットルエンジン58馬力で、クラス初の3人乗りキャビン、カーブドフロントガラスを採用した、「ソフトなスタイリングが特徴だった」という。

69年には500kg積みのライトバンや、荷物を大切に運ぶために荷室の窓をパネルで覆ったルートバン、さらにサードシートを備える9人乗りのコーチを追加。このコーチはその後のスターワゴン、スペースギア、D:5へと続く乗用キャブオーバーワゴンのルーツといえるだろう。

1971年11月に新開発の1.4リットルネプチューンエンジンを搭載した、750kg積みを可能としたデリカ75を発売。1974年にはコーチのヘッドランプを4灯にするなど外観リフレッシュを実施。さらに余暇に対する意識の高まりに合わせ、1972年7月には75バンをベースに、ポップアップルーフを備えたデリカキャンピングバンが発売された。「オートキャンプ時代の幕開けに伴い、平日は仕事用として使用し、休日はキャンピング道具を積み込んでオートキャンプを簡単にかつ十分に楽しんでもらえるスペックだった」と述べる。

そのサイズは全長3,860mm、全幅1,540mm、全高1,795mm(コーチ)と非常にコンパクトで、スライドドアのドアハンドル形状は扇状の使いやすそうなもの。また、リアゲートの取っ手も左手、右手のどちらでも使えるよう工夫が施されている。

◇アウトドアブームの火付け役、4WDワゴンが登場…2代目スターワゴン

2代目は1979年6月にデリカスターワゴンとして発売。「人気のワゴンでありたいという意味でのネーミングだ」と大谷氏。「シンプルでボクシーなスタイルと、小型車全幅枠いっぱいに拡大したボディによる優れた居住性、広い荷室が特徴だ」と説明。

53年排気ガス規制に適合したNCA JETサターンエンジンを搭載し、クラス初の5速マニュアルミッションが採用され、2、3列目がフルリクライニング機構を備えていた。1981年9月にはイージードライブ化をさらに進めるオートマチック仕様の追加や、パワーステアリングを採用したほか、リクリエーショナルビークルならではの反転式対座シートやマルチサウンドコンポを搭載。

そして1982年に、「時代に応える新発想として日本初の4WDワンボックスワゴンを追加」することで、ワンボックス四駆の先駆けとなった。大谷氏は、「当時のパジェロとともにアウトドアブーム、RVブームの火付け役となった」という。その四駆システムは初代パジェロに搭載されたハイローレンジの切り替えが出来るトランスファー付きパートタイムで、フリーホイールハブやLSD、電動ウインチなどオフロードに求められる性能も備えていた。1983年には四駆モデルにシリウス2リットルエンジンを搭載し性能アップ。またRVらしい装備として高度計、傾斜計の2連メーターを追加した。1984年には2.3リットルディーゼルターボを追加し、動力性能と経済性能を両立させ「大変な人気となった」と話す。

また、この4WDモデルは、ワンボックスには珍しいフロントのグリルガードや十分なロードクリアランス、高い車高により、「ミニバン市場に強烈なインパクトを与えデリカイコール四駆というイメージを築き上げた」と現在に続くイメージの発端がここにあることを語る。

大谷氏は、「総理府の国民生活に関する世論調査によると、今後の生活についてどのような面に力を入れたいかという質問に対し、それまでの“住生活”に変わり、“レジャー余暇生活”が1983年に初めて一番力を入れる年になった」と述べ、「こういった意識の変化を背景に、スターワゴンはRVとして多様化する需要に応え販売台数を順調に伸ばしていった」と述べた。

◇クロスカントリー四駆の性能も備える…3代目スターワゴン

1986年6月に7年ぶりのフルモデルチェンジしデリカは3代目となった。大谷氏は「当初は衝突安全性やウォークスルーを可能にするためにセミオーバータイプの検討もあったが、最終的には初代と同様スペース効率を優先しキャブオーバータイプとなった」と明かす。軽量化やモノコックボディを採用し、「柔らかなカーブ形状で構成された個性的な新フォルムで“ソフトキューブスタイル”と名付けた」という。

四駆モデルはフロントガードバーを白くし、サイドステップやリアアンダーガード、15インチワイドタイヤを装着し、精悍でスポーティなイメージを強調。また、キャブオーバー型の四駆モデルのリーダーという地位をさらに強固にするために、徹底したオフロード性能と快適性を強化。「軽量高剛性ボディ、ラックアンドピニオンステアリング、パジェロ譲りのサスペンションといった本格機能により、単なる四駆ではなくクロスカントリーの四駆とも肩を並べるような高いオフロード走破性を実現した」と述べる。

一方で二駆モデルでは後席ルーフにガラス窓を設置し、クリスタルライトルーフという名称で、広大なガラスエリアとともに明るく開放的な居住空間を演出。そして二駆四駆ともにセカンドシートにロングスライドパーソナル回転シートを採用し、ラウンジのように快適な室内空間を作り出した。1990年にはビッグマイナーチェンジを実施し、プロジェクターランプを組み込んだ異型4灯ヘッドランプを採用。四駆には大型のフロントガードバー、二駆は新デザインのフロントバンパーにより、外観をリフレッシュしている。

◇セミキャブボディを採用し安全性とユーティリティを向上…4代目スペースギア

4代目はデリカスペースギアとして1994年5月に発売。「優れたスペースユーティリティと日常生活やレジャーのための身近な道具、ギア感覚で愛着を持ってもらいたいとネーミングされた」と大谷氏。先代スターワゴンも根強い人気があることからしばらく併売された。

スペースギアはエンジンをそれまでのフロントシート下からノーズ部分に収めるレイアウトを採用。クラッシャブルゾーンを設けることで衝突安全性をさらに高めた。またそうすることによって室内は前席の足下からラゲッジルームまでフラットフロアにすることが出来、前席後席のウォークスルーも可能に。さらに、セカンドシートは横向き、対座などによる多彩なシートアレンジ、クッション部のチップアップ機構を採用することで広いラゲッジスペースを確保している。

フロントはダブルウィッシュボーン、リアは5リンクコイルスプリングのサスペンション形式を採用。またパジェロで好評だったスーパーセレクト4WDを搭載することで、「優れた操縦安定性と快適な乗り心地とともに高いオフロード性能も実現した」と話す。このスーパーセレクト4WDは走行中の二駆四駆の切り替えだけではなく、四駆においてもフルタイム四駆、直結四駆の使い分けで最適な駆動方法が選択可能。さらにパジェロと同様ローレンジを搭載し、ぬかるみや悪路での急な上り坂などでも優れた悪路走破性を確立した。

◇機能的な外観にフルチェンジ…5代目D:5

5代目デリカD:5は、「ワンボックス車ならではのスペースユーティリティとともに、オフロードからオンロードまでどこまでも行ける高い走行性能を併せ持ったSUV型式のミニバン」として2007年1月に発売。「歴代デリカ伝統の十分なグランドクリアランスを持つスクエアなボディを大径タイヤで支える独創のフォルムと、直線基調のデザインにより、機能的な外観デザインとなった」と説明。

また三菱独自の四輪統合制御思想である、オールホイールコントロールのもと、前後輪のトルク配分を適正にコントロールする電制四駆やASCなどが採用された。

ボディは乗員をしっかり守る構造として環状骨格構造のリブボーンフレームを採用。その他ニーエアバッグや樹脂フェンダーなどを新規採用し、安心安全装備を充実させた。2013年、歴代デリカのディーゼルファンからの強い要望に応え、クリーンディーゼル車を追加。2.2リットルクリーンディーゼルと、INVECS II6速スポーツモードATの搭載で、「長距離移動や多人数乗車というミニバンとしての用途とSUVとしての用途に最適な燃費性能と動力性能を実現した」と話す。

大谷氏は歴代デリカについて、「それぞれの時代に合わせて進化をしてきたが、人々の生活をより豊かにするというテーマには変化はない」という。そして、「三菱自動車は現在“Drive your Ambition”というブランドメッセージを発信しており、行動範囲を広げたい、様々なことに挑戦したいというお客様をサポートし続けるという決意表明だ。デリカはまさにこのブランドメッセージを具現化するクルマと考えており、今後も独創的で存在感のあるクルマにしていきたい」とまとめた。