注目の自動車ニュース

「レベル2」自動運転バスが試験走行、横浜市内の公道で—夏には営業運行

  • 《写真提供 相鉄バス》
  • 《写真提供 相鉄バス》
  • 《画像提供 相鉄バス》
  • 《画像提供 相鉄バス》
  • 《資料提供 相鉄バス》

相鉄グループの相鉄バスは9日、群馬大学、日本モビリティと共同で、横浜市旭区の大規模団内において、公道での自動運転バスの試験走行を実施したと発表した。試験は、運転席に運転士を配置した自動運転「レベル2」で、往復約2.7kmを走行した。

自動運転は、車両と営業所間との間でテレビ電話を通じた遠隔監視がなされた。バスは実際に使用しているバス停に正着(乗降場に乗降扉を合わせて停車)させ、体験乗車の感想などを調査した。車両は日野『ブルーリボン』ハイブリッド2SG-HL2ANBP改。試験走行の期間は3月29日~4月9日のうち、合計9日間。

実証実験は、相鉄バスとして初めての、公道での自動運転バスの試験走行だ。また、横浜市の「I・TOP 横浜 路線バス自動運転プロジェクト」の一環でもあり、2021年夏を予定している、公道での営業運行による実証実験に向けた準備となる。

実証実験では、横浜市の大規模団地再生モデル構築事業の対象である左近山団地内の、営業運行路線の一部を用いた。左近山第1バス停~左近山第5バス停、往復約2.7kmの距離だ。区間内にある5つのバス停すべてに停車し、合計36便が運行された。この区間は、平日ピーク時(1時間)に23本、1日に263本の路線バスが運行されている。

体験乗車した住民からは「素晴らしい! 夏が楽しみ」(40歳代主婦)、「昨年の里山よりもスピードが出ていた。カーブも丁寧に曲がっていた。停留所にちゃんと停まっていた」(40歳代主婦)、「僕もこんなプログラミングをしてみたい」(中1男子)といった感想が聞かれた。

相鉄バスなど関係者は今回の試験走行の結果をもとに、自動運転システムの調整や公道走行における問題点などを把握し、2021年夏に左近山地区で公道での営業運行による実証実験に向け、研究を続けていく。営業運行による実証実験の具体的な区間、時期については決まり次第、改めて発表される。

相鉄バスと群馬大学は2019年4月に、大型バスの自動運転に関する共同研究契約を締結し、大型バスの自動運転「レベル4」による営業運転をめざしている。相鉄バスでは、就労人口の減少に伴う運転士不足への対応として自動運転の導入が不可欠と考えているからだ。

相鉄バスと群馬大学のこれまでの取り組みとして、2019年9月には、よこはま動物園ズーラシア正門~里山ガーデン正面入口間において、日本初となる大型バスによる営業運行での自動運転の実証実験を実施した。2020年10月には同区間において、これも日本初となる大型バスの運転席無人と「遠隔監視・操作システム」による営業運行を実施した。