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「NECモビリティテストセンター」開設…5Gや映像分析を活用したインフラ協調

NEC(日本電気)は6日、ローカル5Gや映像分析などを活用した実証施設「NECモビリティテストセンター」を静岡県御殿場市に開設した。新しい道路交通インフラ社会の実現に向けて、インフラ協調型のモビリティサービスや自動運転支援などの共創の場を提供する。

モビリティの「インフラ協調」とは、車両と道路付帯物などのインフラが無線通信で迅速に情報をやり取りし、事故の抑止や渋滞緩和、自動運転支援などを実現するための仕組みだ。

政府が推進する「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(IT新戦略)」では、次世代通信規格5Gと交通信号機との連携による、新たな道路交通インフラ実現への指針が掲げられている。

NECでは、インフラ協調型のモビリティサービスの実現や、インフラに設置したセンサーから得られるデータの活用を通して、新しい道路交通インフラ社会の実現に貢献するために、NECモビリティテストセンターを開設した。

NECモビリティテストセンターには、信号灯器や横断歩道といった道路設備の設置に加え、ローカル5G基地局やC-V2X路側機などの無線通信設備、路側カメラやAI用エッジ処理装置などのエッジコンピューティング設備を設置し、バス・乗用車などの車両や電動車いすも配備している。

◆今年度想定する実験

1. ローカル5Gと映像分析の先進技術実験……ローカル5Gを用いて、道路付帯物に設置したカメラで交差点の俯瞰的な映像を取得・分析する。横断者情報や衝突予測情報、速度超過車両情報を、周囲の5G端末搭載車両へ通知する。通常では死角となる位置の危険車や人をデジタル情報化し、運転支援や自動運転につなげる。

2. 交通マネジメント実験……通行する車両や歩行者をカメラ画像より認識・分析する。渋滞情報の基礎となる交通量をリアルタイムで検知するとともに、通過車両のナンバープレートを識別する。地域外からの流入車両数の把握や、時間帯による車両・歩行者量の変化をとらえる。

3. 道路インフラのマネジメントの実験……路側のカメラで路面状況の画像を取得・分析して、落下物や倒木などのインシデントをリアルタイムに把握する。周辺にいる5G端末搭載の車両へリアルタイムに通知して、注意を喚起する。

通信のイメージ
V2V(Vehicle-to-Vehicle):車車間の通信技術
V2I(Vehicle-to-Infrastructure):車とインフラ間(路車間)の通信技術
C-V2X(Cellular Vehicle-to-Everything):車車間・路車間の他、歩行者などとの通信も含まれる通信技術