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ブガッティ『ディーヴォ』、納車開始…限定40台で価格は500万ユーロ

  • 《photo by Bugatti》
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ブガッティは8月5日、『シロン』派生モデルとして、世界限定40台を生産する『ディーヴォ』(Bugatti Divo)の納車を開始した、と発表した。

ディーヴォは、ブガッティ・シロンをベースに開発された。シロンのパフォーマンスをさらに引き上げた超高性能モデルで、世界限定40台を生産する計画だ。価格については、500万ユーロ(約6億2600万円)と公表されており、40台は完売している。

車名のディーヴォとは、1920年代後半、ブガッティを駆り「タルガ・フローリオ」で2度優勝したフランス人レーシングドライバー、アルバート・ディーヴォ氏に敬意を表したネーミングとなる。

◆エアロダイナミクス性能を追求した専用デザイン

ディーヴォでは、シロンに対して、エアロダイナミクス性能のさらなる向上が追求された。フロントカバーには空気取り入れ口が追加されており、車両の有効断面積を減らすと同時に、フロント部分の空気の流れを改善し、空力効率を高めている。「エアカーテン」も最適化されており、車両のサイドの空気の流れが良くなっているという。

新設計のワイドなフロントスポイラーは、ダウンフォースを高め、フロントエアインレットに多くのエアを導きく。これにより、全体的な冷却性能を向上させた。

ブレーキは、車両の両側にある4つの独立した空気システムによって冷却される。空気は、フロントバンパーの上の高圧領域、フロントフェンダーの吸気口、フロントラジエーターの吸気口、タイヤ前方のディフューザーから取り入れられる。ベーンは、これらの領域からの冷気をブレーキディスクに送る。熱シールドは、熱風をホイールから排出する。これにより、ブレーキが過熱せず、タイヤの温度を常に最適に維持する。このシステムはすでにシロンで使用されているが、ディーヴォの場合、さらに冷却性能が引き上げられている。

◆合計44個のフィンが点灯しテールライトとして機能

ルーフには、NACAエアダクトが組み込まれた。専用設計のエンジンルームカバーと組み合わせることにより、エンジンルームへの非常に高いエアフローが確保されている。

後部には、新デザインのリアスポイラーが備えられた。エアブレーキとしても機能し、走行モードによって異なる角度に設定される。リアスポイラーの幅は1830mmで、シロンより23%幅広い。ワイドなリアスポイラーは、エアブレーキ性能を向上させるだけでなく、大幅にダウンフォースを高める。4本のテールパイプに対応したリアディフューザーも専用デザイン。発生するダウンフォースの合計は456kgで、シロンよりも90kg増加しているという。

リアには、3Dテールライトが装備された。3Dプリントを使って製造されたリアグリルと一体設計された。このリアグリルは特別なフィンが特長で、合計44個のフィンが点灯し、テールライトとして機能する。

◆W16気筒エンジン+4ターボで最大出力1500hp

シャシーとサスペンションの専用チューンと軽量化により、さらなるコーナリングパフォーマンスを追求している。シャシー開発の主な目的は、コーナリングダイナミクスを改善すること。この目的のために、キャンバー角が見直された。その結果、ディーヴォの最高速は380km/hに制限される。シロンが最高速420km/hを引き出す際に必要なトップスピードモードは装備されない。横加速度に関しては、ディーヴォは1.6gに達するという。8.0リットルW16気筒ガソリンエンジンは4個のターボで加給され、最大出力1500hpを獲得している。

ステアリングとサスペンションは、すべてのモード(「EB」、「アウトバーン」、「ハンドリング」)で、よりダイレクトなレスポンスと大幅にスポーティなドライバビリティを実現するようにチューニングされた。ディーヴォは、シロンよりも35kg軽量だ。この軽量化は、新設計の軽量ホイールやカーボンファイバー製インタークーラーカバーなど、さまざまな設計変更の結果になる。

固定式のフロントディフューザーフラップ、断熱材の削減、軽量なサウンドシステムの採用により、重量を抑えた。重量を減らすために、センターコンソールとドアトリムの収納コンパートメントも省略されている。ディーヴォは、シロンよりもイタリアのナルド・サーキットにおけるラップタイムを、8秒短縮しているという。

ディーヴォの納車開始にあたって、ブガッティのステファン・ヴィンケルマン社長は、「ディーヴォは、ブガッティの110年以上にわたる歴史において、画期的なモデル。ディーヴォによってブガッティは、新しい時代を迎える。ブガッティコレクションに欠かせない高度にカスタマイズされた自動車は、職人技による傑作だ」と述べている。