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気仙沼線BRTバス、レベル4自動運転を実施へ 国内最速60km/h・最長15.5km

  • 《画像提供 JR東日本》
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東日本旅客鉄道(JR東日本)は5月8日、気仙沼線BRTの柳津駅~水尻川AP間で、自動運転レベル4によるバスの走行を5月29日から実施すると発表した。自動運転レベル4は、特定条件下でシステムが全ての運転操作と緊急停止を行なう。

●震災復興で鉄道から転換したバス
走行区間は、東日本大震災で被災した旧鉄道敷などを活用した気仙沼線BRT専用道の約15.5kmで、最高速度は約60km/h。国内のバスによるレベル4自動運転として、最速・最長の取り組みになるとしている。

BRTは「Bus Rapid Transit(バス高速輸送システム)」の略称だ。一般的な路線バスよりも定時性や速達性を高めた交通システムで、専用道路や優先レーンを活用する。鉄道に近い安定した運行を比較的低コストで実現できるのが特徴だ。

●運転士による監視や介入が不要
JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「勇翔2034」で掲げる「技術力の深化と進化」に基づき、「技術サービス企業グループ」をめざして技術開発を進めている。自動運転バスについては2018年度から実証試験を続けてきた。

これまでの試験結果などから安全性が確認され、2025年度に「走行環境条件の付与」(東北運輸局)と「特定自動運行許可」(宮城県公安委員会)を取得。レベル4での自動運転走行が可能となった。なお、東北地方でレベル4自動運転に関する認可などを取得したのは同社が初めてという。

自動運転レベル4は、特定条件下でシステムが全ての運転操作と緊急停止を行なうもので、運転士による監視や介入を必要としない。

●約2mごとの磁気マーカ、約10mごとにRFID
車両位置の認識には、BRT専用道に約2mごとに埋設した磁気マーカと車両側の磁気センサを使用する。約10mごとにRFID付き磁気マーカを設置しており、車両の絶対位置を高精度に把握できるという。GNSSによる位置情報を受信しにくいトンネル内でも、自車位置を認識できるため、安定した走行が可能としている。

RFIDは「Radio Frequency Identification(無線自動識別)」の略称。電波を使って情報を読み書きする技術で、専用のタグに記録した情報をセンサーを使って非接触で読み取る。いっぽうGNSSは「Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)」の略称。人工衛星からの電波を利用して、自動車やスマートフォンなどの現在位置を測定する技術だ。

●希望者は無料で試乗できる
レベル4自動運転は、5月29日から7月4日までの毎週金曜日と土曜日に実施する。通常の営業運転とは異なる形態で行なう。

バスの運行区間は、柳津駅(宮城県登米市)から志津川駅(宮城県南三陸町)まで往復するルート。このうち自動運転は気仙沼線BRT専用道の柳津駅~水尻川AP(宮城県南三陸町)間で、水尻川AP~志津川駅間は手動運転となる。AP(アプローチ)は専用道と一般道の境界部分のこと。

多くの利用者に自動運転バスの先進性を知ってもらうため、希望者は無料で乗車できる。試乗は往復での乗車となり、志津川駅などで途中下車はできない。

自動運転バスは、柳津駅9時40分集合~11時20分解散の便と、13時00分集合~14時40分解散の便を設定する。乗車希望はウェブの専用フォームで受け付け、各実施日の2週間前まで応募可能だ。定員を超えた場合は抽選となる。

JR東日本は、今回の運転終了後、2028年度までに水尻川AP~志津川駅間の一般道でもレベル4自動運転の実現をめざすとしている。