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日産『パトロール』にテイン製オフロード用ダンパー採用、中東市場で2026年発売へ
サスペンション専門メーカー・テインは12月15日、同社が開発した高性能オフロード用ダンパーが、中東日産の「プロジェクト・サファリ」において大型SUV『パトロール』向けに採用されたと発表した。2026年より中東市場を皮切りにグローバル展開を開始し、初年度は1000セットの販売を見込む。
このパトロール専用新製品は、12月12日にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開催された中東最大級のオフロードイベント「リワ・フェスティバル」で、「サファリ・プロ・ショックス・バイ・テイン」として正式に披露された。同イベントは2026年1月3日まで23日間にわたり開催され、GCC各国から延べ60万人が来場する大規模なもので、4×4車両の走破性や耐久性が砂漠の実地で評価される場として知られている。
ベースとなっているのはテインの「4×4ダンパー・グラベル2」だ。このオフロード・ダンパーは、モンゴルや中国内モンゴルなどマイナス40度という過酷な環境で3年間のテストを重ね、昨年からアジア地域で販売を開始していた。中国では鄭州日産『パラディン』の最上級グレードにも標準装着されている。
今回の中東市場向け製品は、高温・砂漠・高負荷という地域特有の過酷な使用環境に対応するため、1年間という短期間で複数回の開発とチューニングを実施した。単筒式モノチューブ構造で、シリンダー径64mm、ピストン径56mm、シャフト径22mmという大型サイズを採用。減衰力は伸圧同時調整16段、圧側調整16段の2WAY調整式で、マイナス30度から180度までの作動温度範囲に対応する。
過酷な気象条件や悪路走行に対応した高耐久性、大型SUV特有の車体重量・重心に合わせた専用チューニングによる走行安定性の向上、減衰力特性の最適化によるオフロード走行でも快適な乗り心地を実現している。
リワ砂漠は50mを超える巨大砂丘、非常に柔らかい砂質、高温・強風といった過酷な自然条件を特徴とし、世界でも最も厳しいオフロード環境の一つとされる。同イベントでは王族や政府関係者をはじめ、経験豊富なオフロードファンが多く来場し、テイン製品装着の日産・パトロール試乗車での体験試乗でも高評価を獲得した。
テインは今回の採用について「世界的に高い評価を受けている日産・パトロールに当社の高性能4×4ダンパーが採用されたことを大変光栄に思う」とコメント。また、開催日には砂漠地帯の国境警備専用として数百台の引き合いも受けているという。
同社は4×4市場向け製品の生産に向けて、中国工場(江蘇省宿遷市)に専用セル生産ラインを構築し、安定かつ高品質な製品供給体制を整えている。なお、日産・パトロール(Y63)は2027年に日本国内で再導入予定で、2007年のサファリ(Y61)終了以来、約20年ぶりの国内販売再開となる。












