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アウディ A8 新型の「洗練されたレベル2」自動運転—法整備追いつかず[新聞ウォッチ]

  • 《撮影 高木啓》
  • 《撮影 高木啓》

気になるニュース・気になる内幕—今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年9月6日付

●関空再開来週以降か、滑走路1本で暫定的に(読売・1面)

●社説、次世代車競争、転換期を技術力で勝ち抜こう(読売・3面)

●自動運転タクシー快走、知事試乗公道での営業世界初(読売・28面)

●法整備が追いつかぬ自動運転車発売、「レベル3」アウディA8、次世代車ドイツ勢攻勢(朝日・8面)

●デミオ改良排気量1.5リットルに(朝日・8面)

●ホンダなど4社米国で前年超え、8月新車販売(毎日・7面)

●台風経済打撃、関空閉鎖、ツアー中止物流寸断(産経・3面)

●中国新車販売トヨタ好調、8月、関税下げ恩恵、日産などは減速(日経・14面)

●タクシー配車日韓で、ジャパンタクシー韓国企業が出資(日経・14面)

●独高級車、テスラに反撃、ダイムラーなどEV投入、欧州で後じん、危機感(日経・15面)

●禁煙支援産学タッグ、日産などの健保、遠隔診療(日経・15面)

●非正規の夜勤手当増、ブリヂストン、正社員と同額(日経・15面)

●ガソリン、7週ぶり上昇、店頭152.1円(日経・20面)

ひとくちコメント

独アウディの上級セダン『A8』を8年ぶりにフルモデルチェンジして10月15日から日本でも発売するという。目玉の機能は高精度の運転支援システムで、量産車として最先端技術のレーザースキャナーを世界で初めて搭載。その数はミリ波レーダーやカメラセンサー、超音波センサーなど最大23個にも及ぶという。
9月に日本法人アウディ・ジャパンの新社長に就任したばかりのフィリップ・ノアック氏も発表披露会では「世界で初めてレベル3の条件付き自動運転を可能にした(技術)」などと、胸を躍らせながらスピーチしていた。

ただ、新型A8にはまだ「レベル3」自動運転の機能はない。自動運転に伴う国際的な法規制が整備されていないのが現状だ。きょうの朝日と産経が詳しく取り上げているが、日本では「レベル3」のようなドライバーがハンドルから手を離して運転を任せることは原則禁じられている。

朝日は「法整備が追いつかぬ自動運転車発売」と皮肉っぽく報じれば、産経も「法整備追いつかず封印」とのタイトルで「実際には自動運転機能を利用できず、技術と制度の隔たりの大きさが示された格好だ」と伝えている。

独アウディが今回発表した新型A8の車両本体価格は1140万円(税込み)から1540万円のプレミアムセダン。現行の運転支援システムでも一定の車間距離を維持して長距離の高速走行などでは安全で疲れが軽減できる優れものも少なくない。

ハンドルから手を離して運転を任せるほどにドライバーをアシストしてくれる高精度な機能が必要なのかどうかは意見が分かれる。ハンドルを握るのが楽しみなドライバーにとってレベル3の機能は「宝の持ち腐れ」とも思えるが……。