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メルセデスベンツと映画『アバター』が自動運転EV、カニのように横移動が可能…CES 2020

  • 《photo by Mercedes-Benz》
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メルセデスベンツは1月7日、米国ラスベガスで開幕したCES 2020において、コンセプトカーの『ヴィジョン AVTR』(Mercedes-Benz VISION AVTR)を初公開した。

◆「ゼロインパクトカー」が目標

ヴィジョンAVTRは、メルセデスベンツと映画『アバター』のグローバルパートナーシップの成果として製作された自動運転EVのコンセプトカーだ。ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』は2009年に公開された。最新のデジタル3D映像技術を駆使したことなどが話題となり、世界的なヒットを記録した作品だ。

ヴィジョンAVTRは、環境への負荷のない「ゼロインパクトカー」を目指している。メルセデスベンツはヴィジョンAVTRを使用して、持続可能性やデジタル化など、未来のモビリティを表現した。ヴィジョンAVTRは、人間、自然、技術が矛盾するものではなく、互いに調和するモビリティの望ましい未来を表しているという。

◆全方位に移動できる「バイオニックフラップ」

ヴィジョンAVTRの全体的なコンセプトは、エクステリア、インテリア、ユーザーエクスペリエンスの3つを、前例のないほど密接に組み合わせることだ。自然に触発された新しいデザイン言語が、ヴィジョンAVTRのエクステリアを特長づける。このエクステリアを、球形デザインのインテリアと融合させた。

ヴィジョンAVTRのリアには、全方位に移動可能なフラップ、「バイオニックフラップ」を33個装備している。33個のバイオニックフラップにより、前後に移動できるだけでなく、斜めに移動することもできる。従来の車両とは異なり、ヴィジョンAVTRはカニのように横へ移動できる。爬虫類のようなフォルムと高い敏捷性を備えているという。

◆メニューは手のひらに表示

ヴィジョンAVTRには、新しいユーザーエクスペリエンスコンセプトを導入した。ヴィジョンAVTRコンセプトの内部から出るデジタルニューロンにより、外部との通信を可能にしている。

また、手のひらに表示されるメニューにより、乗員は異なる機能を直感的に選択できる。たとえば、ドライバーは、さまざまな視点から、『アバター』に登場する架空の衛星、「パンドラ」を探索するオプションを選択できるという。

◆センターコンソールに手を置くだけで直感的に車両を制御

ヴィジョンAVTR のインテリアは、没入型のエクスペリエンススペースとなっており、まったく新しいユーザーエクスペリエンスを可能にしている。

ヴィジョンAVTRのさらなるハイライトが、制御ユニットだ。手動運転モードでは、センターコンソールのマルチファンクションコントロール機能により、ドライバーがセンターコンソールに手を置くだけで、直感的に車両を制御できる。

◆EVパワートレインのバッテリーに新技術

ヴィジョンAVTRのパワートレインはEVだ。バッテリーには、リサイクル可能な原材料で作られた有機電池技術を導入する。これは、希土類と金属をまったく含まないグラフェンベースの有機電池化学で開発された新しい電池技術だ。バッテリーの原材料は堆肥化が可能なため、完全にリサイクルできる。

メルセデスベンツは、EVは化石資源から独立する。これにより、メルセデスベンツは、原材料部門における将来の循環経済を強調する、としている。