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埼工大、AI自動運転スクールバスの運行開始へ…週に1回キャンパスと岡部駅を往復

  • 《撮影 山田清志》
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埼玉工業大学は12月23日、埼玉県深谷市のキャンパスでAI自動運転スクールバスの運行開始セレモニーを開催した。セレモニーには埼玉県議会の神尾高善議長をはじめ、深谷市の小島進市長、埼工大の松川聖業理事長らが出席し、テープカットが行われた。

車両は日野自動車のマイクロバス『リエッセII』の福祉車両をベースに「自動運転AI(AIPilot/Autoware)」を実装したもので、屋根にLiDARとGNSSアンテナ、前部にモービルアイ、単眼カメラ2個、レーダー、そして後部にレーダーが搭載されている。LiDARやカメラの画像情報をディープラーニング(深層学習)により、周囲の環境をAIで認識して障害物を回避して走行することも可能だという。

「8月に開発を始めた頃には、走行速度もヨチヨチという程度だったが、ようやく法定速度で安心して走れるレベルになった。しかし、高速域での安定性やブレーキの滑らかさなど、まだまだ改良の余地がある」と埼工大教授で自動運転技術開発センターの渡部大志センター長は話す。

確かに試乗してみても、交差点ではスムーズに曲がることはできたが、信号などで停止するときは、急ブレーキをかけた感じになり、乗客が前のめりになってしまった。また、前方に自転車が走っていたり、路上駐車のクルマがあるときは、それを避けるのではなく、現時点では安全性を考慮して運転手が操作を行って避けているそうだ。

運行は週に1回、キャンパスと岡部駅の往復3.2kmを走らせる予定で、学生が多いときの臨時便になるという。渡部教授によれば、木曜日の可能性が高く、学生だけでなく、一般の人も乗ることができるそうだ。

「日本は少子高齢化の中で、労働力不足や高齢ドライバーの事故の増加など、さまざまな問題が出てきているが、それらの問題を解決していく一つの方法として自動運転があると認識している。また、学生には自動運転バスに乗ってもらうだけでなく、テクノロジーの進化というものを実感してもらい、それをさらに進化させて、より便利な社会を築いていくという気概を持ってもらいたい」と埼工大の松川理事長は話していた。