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【トヨタ ヤリス 新型】吉田副社長「1クラスも2クラスも上の基本性能を」

  • 《撮影 平原克彦》
  • 《撮影 小松哲也》
  • 《撮影 小松哲也》
  • 《撮影 小松哲也》
  • 《撮影 小松哲也》

トヨタ自動車は10月16日、次期型『ヤリス』を世界初公開した。独自の開発手法TNGAのもと新たに開発したコンパクトカー向けプラットフォームを初採用。トヨタの吉田守孝副社長は「従来のコンパクトカーよりも1クラスも2クラスも上の優れた基本性能を目指した」と語る。

吉田副社長は「高い基本性能を備えたクルマを効率良く開発し、もっといいクルマづくりを実現するためにスタートしたTNGAだが、これまで『プリウス』、『カローラ』などに使用するGA-Cプラットフォーム、『カムリ』、『RAV4』などに使用するGA-K、『クラウン』、レクサス『LS』などFR車専用のGA-L、この3つのプラットフォームをもとに数々の車種を投入してきた。新型ヤリスはTNGAの第4弾となるコンパクトカー向けのGA-Bプラットフォームを採用する最初のクルマとなる」と説明。

そのGA-Bプラットフォームの開発について吉田副社長は「これまでのコンパクトカーの既成概念を捨て、コンパクトカーの魅力は何なのかということを改めて徹底的に考えた。コンパクトだからこそ軽い、その軽さを生かした軽快な走り、軽いことで実現できる最高の燃費。一方でコンパクトで安価なゆえに、ともすると妥協しがちなデザイン、安全性能、新装備において、いかに高いレベルを実現するか。コンパクトカーの常識を超える性能を目標として開発を進めてきた」と振り返る。

さらに「ライバルがひしめく、このBセグメントで環境性能、安全性能、走行性能などにおいて簡単な妥協は許されない。高い目標を実現するために、大変競争の激しい軽自動車市場で戦うダイハツの賢いクルマ造りをも徹底的にベンチマークした」ことも明かした。

また「今回のヤリスの開発においては、WRCの現場からのフィードバックをボディ剛性や足回りなど様々なところに反映してきた。ラリーという過酷なフィールドでの経験、そして現場からの声も開発に惜しみなく生かされている」とも。

その上で「我々は、このクルマを積極的にこれが良いと選んで頂けるクルマにしたい。ファーストカーにふさわしい、従来のコンパクトカーよりも1クラスも2クラスも上の優れた基本性能を目指した」と述べた。

ヤリスは日本では1999年の登場以来、『ヴィッツ』の名称で販売してきたが、今回の全面改良を機に海外名称に統一する。吉田副社長は「TNGAで一新されたこのクルマを新しいスタートを切るとの思いを込めて名前をヤリスへと変更することにした。今後、このヤリスとヤリスブランドを大切に育てていきたい」と話していた。なお、次期型ヤリスは12月に正式発表し、日本では2020年2月中旬からの発売を予定しているという。