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一部「レベル3」の高速道自動運転を2020年に確立…ホンダミーティング2019

ホンダは7月4日までに和光ビル(埼玉県和光市)で開いた「ホンダミーティング2019」で、2020年に技術確立を目指している高速道路本線上での自動運転技術の開発状況を公開した。現時点では世界で実用化されていない2つの機能を備える。

ホンダはかねて、高速道路本線上での自動運転技術については20年までの確立方針を示していたが、今回、その内容を詳細に紹介した。この自動運転技術は(1)車線内運転支援、(2)高度車線変更支援、(3)渋滞時自動運転―で構成され、いずれもドライバーがハンドルから手を離す「ハンズオフ」の状態で運転できるようにする。

本田技術研究所・オートモービルセンターで統合制御開発を担当する玉川裕執行役員によると、このうち(2)の高度車線変更支援と(3)の渋滞時自動運転の2つは「世界でまだ実用化されていない技術」という。車線変更はハンズオフの状態で追い抜き車線への変更と、そこから元の車線への復帰ができるようにしている。

また、渋滞時自動運転は、1から5まで5段階に分類される自動運転の技術レベルのうち、システムが自動運転し、緊急時などにドライバーに運転を引き継ぐ「レベル3」の技術となる。日本では先の通常国会でレベル3の運転や車両に対応するため、道路交通法と道路運送車両法の改正が成立、ドライバーは自動運転の際にDVDの視聴やスマホの操作が認められるようになる。改正法の施行は今のところ、20年春ごろと見られている。

レベル3の大きな技術課題は、自動運転システムからドライバーへの運転引き継ぎだ。「システムは運転要求をドライバーにしっかり伝えて交代を促す必要があるので、インジケーターでの表示による視覚、警報による聴覚、さらにシートベルトの振動による触覚と3段階で確実に伝達する」(玉川執行役員)仕組みとした。それでも応じない場合は路肩などへ緊急停車させる。また、ドライバーの状態を常時監視するモニターカメラも搭載する。

この渋滞時自動運転以外の技術は、ハンドルと加減速を自動制御する「レベル2」になるという。また、20年時点での市販化については「社会的な受容性なども踏まえる必要があり、現時点では答えられない」(同)としている。