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日産 アルティマ に2020年型、セダンで初の「プロパイロット」搭載

  • 《photo by Nissan》
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日産自動車の米国部門、北米日産は6月21日、『アルティマ』(Nissan Altima)の2020年モデルを発表した。現地ベース価格は、2万4100ドル(約260万円)と公表されている。

日産の米国市場における主力ミドルセダンが、アルティマだ。日本市場では、従来型が『ティアナ』として導入されている。現行型アルティマは、6世代目モデル。日産セダンの新たなグローバルデザイン言語を導入したのが特長だ。とくにフロントマスクには、コンセプトカーの『Vモーション 2.0』のモチーフが取り入れられた。

◆ベースグレードを除いてセーフティシールド360標準装備

アルティマの2020年モデルに搭載されるのが、最新の先進運転支援システム(ADAS)だ。日産「セーフティシールド360」を、ベースグレードを除いて標準装備する。日産セーフティシールド360は、6種類の先進運転支援システムで構成される。「歩行者検出機能付きの自動緊急ブレーキ」は、車両のフロントのレーダーとカメラが、歩行者を検知し、ドライバーに警告を発し、衝突が避けられないと判断した場合、自動でブレーキをかける。

「ブラインドスポットアラート」は、ドライバーの死角に入った車両を、車線変更の際などに警告する。「リアクロストラフィックアラート」は、駐車場などで後退する際、後方の車両を検出し、ドライバーに警告する。「リア自動ブレーキ」は、後退時に静止した物体を検出し、ドライバーに警告し、必要に応じて衝突を回避するために、自動でブレーキをかける。

「車線逸脱警告」は、ウインカーを出さないで車線変更しようとした場合、ドライバーに警告する。「ハイビームアシスト」は、前方の車両を検出し、ヘッドライトのロービームとハイビームを自動で切り替える。

◆プロパイロットは中級グレード以上に

また、中級グレード以上に、「プロパイロット」を標準装備した。アルティマが日産のセダンとして初めて、プロパイロットを搭載した。プロパイロットは、高速道路の単一車線での自動運転技術だ。渋滞走行と、長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動的に制御し、ドライバーの負担を軽減する。

プロパイロットは、ステアリングスイッチの操作により、簡単にシステムを起動・設定することができる。道路と交通状況を把握し、ステアリングを正確に制御して人間が運転している感覚に近い自然な走行を追求している。

後退時に車両後方の静止した物体を検知し、必要に応じて自動でブレーキを作動させて衝突防止を支援する「リアオートマチックブレーキ(RR-AB)」を採用した。このシステムは、低速での後退時に物体を検知すると、表示と警告音でドライバーに警告する。それでもドライバーのブレーキ操作が不十分な場合や、衝突するリスクがあると判断した場合には再度、表示と警告音を発し、より強いブレーキを作動させる。

また、「トラフィックサインレコグイニション」は、ルームミラー前方のフロントウインドウに装着されたカメラが、制限速度標識を検知する。ナビゲーションシステムのデータと組み合わせ、直近の道路の制限速度を「アドバンストドライブアシストディスプレイ」に表示し、ドライバーに注意を促す。

この他、「オートマチックエマージェンシーブレーキ(AEB)」、「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」、「後側方車両検知警報(BSW)」、「インテリジェントクルーズコントロール(ICC)」、「後退時車両検知警報(RCTA)」、「歩行者検知機能付きエマージェンシーブレーキ」、「車線逸脱警報(LDW)」、「ハイビームアシスト(HBA)」、「インテリジェント アラウンドビューモニター(I-AVM)」などが用意されている。

◆2.0「VCターボ」は世界初の可変圧縮比エンジン

アルティマの2020年モデルのパワートレインには、ダウンサイズの直噴2.0リットル直列4気筒ガソリン「VCターボ」エンジンを設定する。最大出力は248hp、最大トルクは37.7kgmを引き出す。このパワートレインは、量産エンジンとしては世界初の可変圧縮比エンジンだ。可変圧縮比技術は、ピストンの上死点位置をシームレスに変化させるマルチリンクシステムを活用しており、最適な圧縮比に素早く変化する特長を備えている。

圧縮比は8:1(高性能)から、14:1(高効率)の間で自在に変えることができる。運転状況に応じてエンジンの制御ロジックは、自動的に最適な圧縮比を選択する。またこの技術は、燃料消費量と排出ガスの大幅な削減、騒音や振動レベルの低減など、多くのメリットがあり、既存のエンジンに比べ軽量かつコンパクト設計としている。北米日産によると、V6ガソリンエンジンと並ぶ動力性能を発揮しながら、4気筒エンジンと同等の低燃費を実現するという。