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トヨタ『カローラ』次期型に新エンジン搭載か? 1.5L直4は136psで燃費20%向上

  • 《image by APOLLO NEWS SERVICE》
  • 《写真撮影 清水知恵子》
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  • 《写真提供 トヨタ自動車》
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トヨタが開発を進めている新世代1.5L直列4気筒エンジン。その有力な搭載候補として、次期『カローラ』が注目されている。電動化が進むなか、なぜ新しいガソリンエンジンを開発するのか。そこには従来の内燃機関とは異なる役割がある。

◆ENGINE ReBORN
トヨタは2024年5月、スバル、マツダとともに「電動化時代に適合する新たなエンジン」の開発を発表した。トヨタが手掛けるのは1.5Lと2.0Lクラスの新世代直列4気筒エンジンで、モーターやバッテリーなどの電動ユニットとの組み合わせを前提としている。

従来のエンジンは、発進から高速走行まで幅広い領域をカバーする必要があった。いっぽう、HEVやPHEVでは、発進や加速などをモーターに任せることができる。そこでエンジンは、得意とする高効率領域を中心に使う。トヨタが「ENGINE ReBORN」と呼ぶ新エンジンは、この考え方をさらに進めたものだ。

◆新開発エンジンは体積と全高を約10%低減
なかでも注目されるのが、新開発の1.5L直列4気筒エンジンだ。

自然吸気仕様とターボ仕様が開発されており、自然吸気仕様は現行の1.5L直列3気筒エンジンに対し、体積と全高をそれぞれ約10%低減する。3気筒から4気筒へ増やしながら、エンジン自体は小さく、低くなる設計だ。

1.5Lターボについては、従来の2.5L自然吸気エンジンが担ってきた性能領域までカバーすることが想定されている。

小型・低背化のメリットは、エンジン単体の効率だけではない。

エンジンが低くなればボンネットも低くでき、前面投影面積を抑えられる。車体側の空力性能も改善できるため、トヨタはセダンを想定したケースで、車両全体として約12%の燃費改善が可能になるとしている。

◆カローラ・コンセプトが予告だった?
そこで焦点となるのがカローラだ。

日本仕様の現行『カローラ』セダン/『カローラ ツーリング』は2019年に登場し、2026年5月にも一部改良を受けた。現在のハイブリッド車は、2ZR-FXE型1.8L直列4気筒エンジンを核とするシステムを搭載している。

いっぽう、ジャパンモビリティショー2025で公開された『カローラ・コンセプト』は、低いフロントノーズと大胆なプロポーションを採用。トヨタが掲げるマルチパスウェイを前提とした、柔軟な車両設計を示した。

◆次世代カローラには幅広いパワートレインが想定
その後に明らかになった情報では、次世代カローラにはHEVだけでなく、PHEVやBEV、エンジン車まで幅広いパワートレインが想定されているという。

さらにトヨタのパワートレイン開発責任者は海外メディアの取材に対し、新1.5L直列4気筒エンジンと新型モーターを組み合わせた次世代ハイブリッドについて、具体的な方向性を明らかにしている。伝えられているシステム出力は約136ps。燃費については、現行システムから10~20%程度の改善を視野に入れているという。

ただし、トヨタが「新1.5L直列4気筒エンジンの市販第1号はカローラ」と正式発表したわけではない。次世代カローラの開発情報と、新型1.5Lエンジン+モーターによる次世代ハイブリッドについての具体的な説明が重なってきたことで、搭載候補として注目を集めている段階だ。

◆現行エンジンからは排気量が縮小されるが
仮に現行1.8Lハイブリッドから1.5Lへ排気量が縮小されても、それがそのまま性能低下を意味するわけではない。

モーターが受け持つ領域を増やし、エンジンを高効率領域に特化させることで、システム全体で必要な動力性能を確保する考え方だ。エンジン、モーター、電力制御を同時に刷新することで、排気量を縮小しながら燃費を改善する余地が生まれる。

◆次期ヤリスへも搭載?
また、この新1.5L直列4気筒エンジンがカローラだけに搭載されるとも限らない。

現行『ヤリス』のハイブリッド車は、1.5L直列3気筒のM15A-FXE型エンジンを搭載している。新開発1.5L直列4気筒エンジンは、現行1.5L直列3気筒より小型・低背化する方向で開発されているため、将来はよりコンパクトな車種へ展開できる余地もある。

ただし、次期ヤリスへの搭載を示す具体的な情報は現時点ではない。コストやパッケージングなどを考慮すれば、カローラ級から投入し、その後に採用範囲を広げるのかもしれない。

『プリウス』についても同様だ。現行型は2.0Lハイブリッドが主力で、次期型を1.5Lへ切り替えるとの情報はない。しかしトヨタは新世代2.0Lエンジンも並行して開発しており、車格や要求性能に応じて1.5Lと2.0Lを使い分けることが想定できる。

◆ダウンサイジングではない
重要なのは、今回の1.5L化が単純な「ダウンサイジング」とは異なる点だ。

小排気量エンジンを過給して従来と同等の性能を引き出すだけではなく、モーターとの役割分担を前提としてエンジン自体を作り直す。さらにパワートレインの小型化によって車体設計まで変え、車両全体の効率向上につなげる考え方だ。

BEV、HEV、PHEVなどを市場ごとに使い分けるマルチパスウェイ戦略のなかで、内燃機関も電動化と組み合わせながら進化させる。

次期カローラに新1.5L直列4気筒エンジンが採用されれば、単なる排気量変更にとどまらない。トヨタの次世代ハイブリッド技術が、世界規模の量販モデルへ投入されることになる。カローラの「心臓部」が変わるとき、トヨタが描く次世代HEVの姿も、より具体的に見えてきそうだ。