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ロールスロイス、ヨット文化を称える特別な『カリナン』4台を発表…東西南北のいずれかがテーマ
ロールス・ロイス・モーター・カーズは3月27日、グッドウッドで「カリナン・ヨッティング」と名付けられた4台のプライベート・コミッションを発表した。
4台のカリナンは、現代のヨット文化が持つ美学、素材、そして精神を称えるもので、各モデルはコンパスの方位である北、南、東、西のいずれかをテーマにしている。その繊細なテーマ性がインテリアとエクステリアの細部にまで表現されている。
高速で進むテンダーの航跡から着想を得た手描きのフェイシアが特徴的だ。独自のスターライト・ヘッドライナーは、地中海を吹き抜ける風向きを表現している。リアのウォーター・フォールには、40以上のパーツで構成された精巧なマルケトリーのコンパス・モチーフがあしらわれている。
これらのデザインは、創業者チャールズ・ロールズの家族が所有したヨット、サンタ・マリア号をはじめ、ロールス・ロイスとヨット文化との長年のつながりを反映したものだ。
手描きの装飾は、ますます求められるビスポーク表現の一つとなっており、ロールス・ロイスではこの専門技術に特化した専属の職人を擁している。カリナン・ヨッティングの各モデルには、フェイシアやピクニック・テーブルに、ヨットへ向かうテンダーボートの航跡を捉えたアートワークが施されている。
この航跡の方向は、各コミッションの方位を反映しており、それぞれが真に唯一無二の存在であることを保証している。この作品の制作には、塗料の色合いの組み合わせや塗布技術、ラッカー塗装の工程を改良するために2か月に及ぶ試行錯誤を要した。
波のリアルな表現を実現するため、顔料を湿ったラッカーにエアブラシで吹き付け、その後、細筆を使って手作業で形を整えている。空気を表面に吹き付けつつ、手作業で塗料を動かすことで、自然な動きの感覚を表現している。
フェイシアには「ピアノ・ミロリ・スパークル」と名付けられたビスポークのペイントが使用されており、コート・ダジュールの深く透き通るような青色を彷彿とさせる、深みのあるメタリックブルーに仕上げられている。
フェイシア以外にも、オープンポア・チーク材がインテリア全体に使用されており、リアのウォーター・フォール、センター・コンソールの蓋、ドアパネルにもあしらわれている。ヨットのデッキでよく見られるこの素材は、海を想起させる確かな質感、自然な手触り、そして控えめながら温かみのある風合いから選ばれた。
リアのウォーター・フォールには、テーマを象徴するコンパス・モチーフがマルケトリーであしらわれている。このデザインは、シカモア、チーク、アッシュ、ブラック・ボリバルのベニヤ板40枚以上から構成されるもので、精密にカットし、手作業で組み立てられたものだ。
インテリアは、アークティック・ホワイトとネイビー・ブルーのレザーで仕立てられ、コントラスト・ステッチやパイピング、ヘッドレストのモノグラムにはネイビーがあしらわれている。シート・インサートには、ロールス・ロイスのシグネチャー・スレッドを用い、斜めの帯状に手縫いされたビスポークのリギング・パターンが施されている。
このデザインは、英国海軍と個人的なつながりを持ち、糸や織り、刺繍の技法に精通した職人の手によるものだ。複数の糸を撚り合わせて強度を生み出す航海用ロープの構造を彷彿とさせるよう入念に設計されており、一針一針の向きに至るまで、その構造的な特徴が反映されている。
また、コーチドアを開けた際に目に入るイルミネーテッド・トレッドプレートにも、ロープのモチーフがあしらわれている。
すべてのカリナン・ヨッティングには、地中海の風向図から着想を得たパターンで、手作業で配置された静止およびアニメーションの光ファイバーの星を組み合わせた、唯一無二のスターライト・ヘッドライナーが装備されている。
ロールス・ロイスのデザイナー、職人、エンジニアから成るビスポーク・コレクティブによって解析・解釈された刻々と変化する風の動きが、インテリア・スイートの天井に繊細な動きとして表現されている。
それぞれのカリナン・ヨッティングのエクステリアは、その名が示す方位を反映している。「ノース」はライトブルーの上にクリスタルが施され、高緯度の冷たい海を想起させる。「サウス」は、アラビアン・ブルーIVの深みと穏やかさを湛えた色合いにクリスタルが重なり、温暖な海域の情景を表現している。
「イースト」はダーク・シルク・ティールで、深海の静けさと神秘を示し、「ウエスト」はサファイア・ガンメタルで嵐に照らされた海上の空を映し出している。フロント・フェンダーには手描きのコンパス・モチーフが施され、該当する方位が赤で強調されている。
さらに、フェニックス・レッドとアークティック・ホワイトの手塗りのツイン・コーチラインが、鮮やかなアクセントを添えている。各モデルには22インチのフルポリッシュ仕上げホイールが装着され、現代のヨットに見られる鏡面仕上げのブライトワークやデッキ・フィッティングをさりげなく想起させる。
ロールス・ロイスとヨットの世界との結びつきは、非常に深く長い歴史を有している。ロールス・ロイスのデザイン言語において、ボディ下部の「ワフト・ライン」と呼ばれるラインは、船舶デザインから直接取り入れられており、ヨットの船体が水を切り裂くように、車の下を通る路面を映し出すことで、洗練された流動感を表現している。
数多くのヘリテイジカーや、グッドウッド時代のファントム・ドロップヘッド・クーペやスペクターといったシリーズモデル、さらには現代のコーチビルド作品であるボート・テイルのコミッションにおいても、レーシングヨットからのデザイン要素や素材の影響が取り入れられてきた。
なかでも重要な参照点となるのが、1930年代にアメリカズカップに出場するために建造された比類なきJクラスだ。優雅なプロポーション、長いオーバーハング、流麗なライン、そして壮大な帆装を持つこれらのクラシックな高性能艇は、美しさと息をのむようなスピードを併せ持ち、今なお「浮かぶ芸術作品」として称えられている。
ブランドと海洋の世界との間には、より直接的で個人的な結びつきもある。ヘンリー・ロイスと出会う以前から、チャールズ・ロールズの家族は、優雅で堂々としたサンタ・マリア号を所有していた。
この船は、2本のマストと補助蒸気機関を備えたスクーナー型の蒸気ヨットで、ヴィクトリア朝後期からエドワード朝初期にかけての洗練された海洋文化を象徴する存在だった。1898年にケンブリッジ大学を卒業した若きロールズは、エンジニアとしての初期の役割の一つとして短期間この船の三等機関士を務め、その後、自動車と航空の両分野の先駆者としての真の使命を果たした。
19世紀末から20世紀初頭の航海日誌や記録によると、サンタ・マリア号は、ロールス・ロイスの本拠地から30マイル足らずの距離にあるイングランド南海岸のショアハムを起点に、家族を乗せて頻繁に地中海クルーズを行っており、その寄港地には、ナポリ、マルタ、アルジェ、コート・ダジュールなどが含まれていた。
現在も、ヨットオーナーである多くのロールス・ロイスの顧客の間でコート・ダジュールは人気のある目的地および母港でもあり、カリナン・ヨッティングの創造的な焦点となっている。












