注目の自動車ニュース

自動運転バス実証実験、レベル2で初実施へ…川崎駅前と市立川崎病院を結ぶ

  • 《写真提供 川崎市》
  • 《写真提供 川崎市》

川崎市は2026年1月8日から1月29日まで、川崎駅前と市立川崎病院を結ぶ「川崎病院線」で自動運転レベル2の実証実験を行う。同路線での自動運転レベル2実験は初めてとなる。

乗車予約は12月23日10時から川崎市自動運転バスホームページの予約フォームで受付を開始する。運行は1月8日から29日までで、16日と土日は運休だが、10日と25日は運行する。運行時間は9時台から15時台まで1日8往復を予定している。

運賃は大人・小人ともに200円で、通常運賃100円に着席保証料金100円を加算した金額となる。支払いは現地でキャッシュレス決済のみ対応し、交通系ICカードやクレジットカード(タッチ決済のみ)が利用できる。

使用車両は中型バス「Minibus 2.0」で、定員は1便あたり13名。初心者マークをイメージした黄色と緑色でラッピングが施されている。運行事業者は川崎鶴見臨港バス株式会社が担当する。

本実証実験では主に3つの検証を行う。技術面では、多くの路上駐車や自転車等が走行する道路環境における路上駐車回避技術の検証、複数車線における車線変更技術の検証、信号の残時間を自動運転バスに送る信号連携装置を川崎駅前南交差点など3か所に設置し安全かつ円滑な自動運転走行の検証を実施する。

事業性の面では、通常運賃100円のバスにおいて着席保証料100円を加えることによる事業性を検証する。9月から実施した羽田連絡線の結果と合わせて価格の受容性を検証する。

社会受容性の面では、実証実験期間中における複数のメッセージ横断幕の設置による路上駐車防止を検証する。また地域一体の取組として、車内放送(録音)を運行ルート上の川崎市立宮前小学校5年生が実施する。

実証期間中は運行経路上での安全確保と路上駐車防止の啓発のため、複数のメッセージ横断幕を沿線に設置するなど、安全で円滑な運行に向けて運行ルート周辺での路上駐車を控えるよう呼びかけを行う。

川崎市は2027年度の自動運転バスのレベル4実装を目指して「KAWASAKI L4 Bus Project」を進めている。今年9月から開始した大師橋駅(川崎区)と天空橋駅(東京都大田区)を結ぶ「羽田連絡線」での実証実験は、レベル4実装に向けた重要なステップとして安全かつ無事故で38日間運行した。

今回実証実験で走行する川崎駅前は1日約30万人が往来するエリアであり、歩行者、自動車、自転車が混在する、より難易度が高く実用性の高い環境下での実証となる。羽田連絡線での成果を踏まえ、安全かつ着実に運行していく。

なお、自動運転バスのクラウドファンディングを2026年1月31日まで行っている。