注目の自動車ニュース
車載カメラ向けPMIC「NP8700」発売、ノイズを抑制し画質安定化…日清紡マイクロデバイス
日清紡マイクロデバイスは、車載カメラモジュール向けのPMIC「NP8700」を発売すると発表した。
近年、車載カメラモジュールはドライバーモニタリング、後席検知、ジェスチャー操作など車室内における多様な用途で活用されており、その需要は増加している。これらのモジュールは天井やミラー、コンソールなどの限られたスペースに搭載されるため、小型・薄型化が強く求められている。
この課題に対応するため、本製品は4つのレギュレータを1パッケージに集約した。さらに、スタンドアロンでのシーケンス設定機能とパワーグッド機能(リセットIC不要)を備えることで、周辺部品の削減と基板の省スペース化を実現する。
本製品に内蔵された4つのレギュレータは、カメラモジュールに必要な仕様を幅広くカバーしている。Ch.1は中耐圧(動作電圧:最大20V)、出力電流1.2A、降圧同期整流レギュレータ。Ch.2は低耐圧(動作電圧:最大5.5V)、出力電流1.0A、降圧同期整流レギュレータ。Ch.3は低耐圧(動作電圧:最大5.5V)、セレクタブルレギュレータ(出力電流1.0A 降圧同期整流レギュレータ または 出力電流0.2A LDO)。Ch.4は低耐圧(動作電圧:最大5.5V)、出力電流0.2A LDO(必要に応じてHS-SWITCHとしても動作可能)となっている。
また、Ch.1を基準にCh.2とCh.3のスイッチング位相をずらすアンチフェイズ制御と、ノイズを分散させるスペクトラム拡散機能を搭載している。これにより、ノイズを効果的に抑制し、カメラモジュールにおける画質や動作の安定性向上に貢献する。
従来品「NJW4750」と比較して大幅に使いやすさを向上させた。Ch.1の降圧レギュレータを、従来のNJW4750におけるダイオード整流方式から、NP8700では同期整流方式へ変更したことで部品点数を削減。さらに、出力電流仕様の見直しにより、幅広いアプリケーションに対応可能となった。加えて、スペクトラム拡散機能によるEMI性能の改善や立ち下げシーケンス設定への対応により、設計自由度と使いやすさを一層高めている。
製品仕様は、入力電圧範囲が中耐圧Ch.1で3.9Vから20V(最大定格22V)、低耐圧Ch.2、Ch.3、Ch.4で2.4Vから5.5V(最大定格7V)。発振周波数は標準2MHz。パッケージはQFN2634-26-NC(3.4×2.6×0.75mm)。
主な保護機能として、低電圧誤動作防止機能(UVLO)2種類を選択切替可能、過電流保護機能(ヒカップ型またはラッチ型を切替可能)、サーマルシャットダウンを搭載。その他の機能として、外部クロック同期可能、スペクトラム拡散機能(有効・無効切替可能)、発振位相を180度シフト(Ch.1とCh.2&Ch.3間)、位相補償回路内蔵、ソフトスタート機能を備える。
アプリケーション例は車載カメラモジュール、ドライバーモニターシステムなどだ。












