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フェラーリ初のEVの車台公開、4個のモーターで4輪を駆動…2026年前半デビューへ
フェラーリは「キャピタル・マーケット・デー」において、同社初となる完全電動モデル「Ferrari Elettrica」の詳細を発表した。
2列シートと4輪駆動を採用したこの新モデルは、F1で20年以上にわたり培ってきた電動化技術の研究の集大成となる。
このモデルは、フェラーリ初の純粋な電気パワートレインに、驚異的なパフォーマンスとベンチマークとなるダイナミクスを組み合わせ、本物のフェラーリのドライビングエクスペリエンスを実現することを目指している。
開発を通じて60件以上の新技術が特許を取得し、シャシーやバッテリー、モーターといった主要コンポーネントはすべてイタリア・マラネッロの自社工場で開発・製造される。シャシーとボディには75%リサイクルアルミニウムを使用した新設計のアーキテクチャを採用した。
特にバッテリーは、クラスをリードするエネルギー密度195Wh/kg、作動電圧約800Vを誇る。フロアパンに完全に組み込むことで、軽量化と剛性向上、高い衝突保護性能を確保。これにより、重量配分はミッドシップエンジン車に近い前後47:53を実現し、重心は同等の内燃エンジンモデルより約80mm低くなっている。
パワートレインも完全に自社開発された。前後の電動アクスルは、各ホイールに1つずつ、合計4つのモーターで構成される。フロントアクスルは最高出力210kW、最大トルク3500Nm、リアアクスルは最高出力620kW、最大トルク8000Nmを発生。4輪はトルクベクタリングによって個別に精密制御される。
サウンド面では、人工的な音を生成するのではなく、電気モーターの自然な音を強調するアプローチを採用。不要なノイズは「フェラーリ・オーダーノイズキャンセレーション技術」によって除去される。
足回りには、『プロサングエ』で初採用された第3世代48Vアクティブサスペンションを改良して搭載。ドライビングモードには「ウェット」と「スポーツ」の間に新たに「ドライ」モードが追加された。また、ステアリングホイールのパドルは、従来のギアシフト機能から、トルクレベルの調整や回生ブレーキの強化といった役割に変更された。
なお、Ferrari Elettricaのさらなる詳細や正式な名称、エクステリアデザインは、2026年前半に公開される予定だ。