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ノイエクラッセ第一弾、BMW『iX3』市販モデルを正式発表、航続距離800km超の電動SUV
BMWは5日、ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2025」において、新世代車両群「NEUE KLASSE(ノイエクラッセ)」の第1弾となる電動SUV『iX3』を発表した。
BMW AGのオリバー・ツィプセ会長は「これは一生に一度の瞬間だ」と述べ、BMWブランドを根本から再構築する機会だと強調した。ノイエクラッセは単なる新型車ではなく、今後数年間にわたってブランド全体を形作る完全に新しいモデル世代を表しているという。
iX3は全電動車両(BEV)として、WLTPサイクルで800km超の航続距離を実現。最大400kWの急速充電に対応し、わずか10分間の充電で370km以上の走行が可能となる。これにより「航続距離への不安」を過去のものにするとしている。
デザイン面では、クリーンな表面と精密なラインを特徴とし、フロント部分ではBMWのアイコンであるキドニーグリルをライトに置き換えた新しいBMWの顔を採用している。
内装では、新開発の「BMW Panoramic iDrive」システムを導入。フロントガラス下部に投影される「BMW Panoramic Vision」により、ドライバーは手をハンドルから離すことなく必要な情報を確認できる。4つの中央コンピューターが従来システムの20倍の速度でデータを処理し、特に「Heart of Joy」と呼ばれるシステムがドライブトレインと走行ダイナミクスの全機能を統合している。
持続可能性の観点では、車両の3分の1がリサイクル原材料で構成されており、サプライチェーンから生産、走行まで全ライフサイクルでの脱炭素化と資源保護を重視している。
BMWは今後、ノイエクラッセのデザインと技術を全車両に展開する予定。次のモデルとして、新型『i3セダン』が来年発売予定であることも発表された。これは新世代『3シリーズ』初の全電動バージョンとなる。
iX3の生産は今年後半にハンガリーのデブレツェン新工場で開始される。BMWは2026年から全ての新型BMWを完全新設計とし、2027年までに40の新型・改良モデルを投入する計画だ。