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軽EV市場に新顔登場、ホンダ『N-ONE e:』と競合する車種

  • 《写真撮影 高木啓》
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  • 《写真提供 三菱自動車》
  • 《写真提供 日産自動車》

ホンダが7月28日に先行発表した新型フル電動軽自動車『N-ONE e:』の登場により、日本の軽電気自動車市場における競争が激化するかも……? 2025年秋の発売を予定するN-ONE e:は、普及仕様で280万円台後半、装備充実仕様で310万円程度の価格設定が予想される。

行政の補助金を活用した実質価格は、普及仕様が190万円、装備充実仕様が220万円程度となる見込みだ。この価格帯で競合する車種を分析すると、複数のライバルが浮上する。

軽自動車カテゴリーでは、三菱の『eKクロスEV』と日産の『サクラ』が競合車種だ。これらの車種は同じ軽規格の電気自動車として価格帯も近く、補助金適用後の実質価格で競争することになる。いずれもN-ONE e:より車高の高いワゴンで、さらにeKクロスEVはアウトドアテイストのデザインと、キャラクターは若干異なる。

ホンダによると、2024年のセグメント別EV販売台数は、登録車乗用EVが55車種で3万3000台、軽自動車乗用EVが3車種で2万6000台だ。本田技研工業日本統括部国内四輪営業部、商品企画担当の木村祐希さんは「軽乗用EVセグメントは販売チャンスが大きい」と説明する。

電気自動車という観点では、コンパクトカーセグメントの日産『リーフ』や、軽自動車より上のクラスのEVも間接的に競合する可能性がある。特に実質価格帯が重なる車種については、購入検討時に比較対象となりやすい。

N-ONE e: の特徴として、大容量バッテリーによる安心の航続距離、スムーズな加速性能、静粛性、シングルペダルコントロール機能などが挙げられる。また、外部給電機能により「走る蓄電池」として災害時の電源確保にも活用できる点が差別化要素となるだろう。

軽EV市場は今後さらなる拡大が予想され、各メーカーの商品力が試される分野となりそうだ。