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ランチア『イプシロン』にラリー入門モデル登場、1.2Lターボの「HFレーシング」
ランチアは、『イプシロンHFレーシング』を欧州で発表した。同車はラリー6カテゴリー向けに開発されたエントリーモデルで、若手ドライバーのラリー参戦を支援する目的で設計された。
イプシロンHFレーシングは、3気筒1.2リットルターボエンジンを搭載し、最高出力145hp、最大トルク240Nmを発生する。トランスミッションは6速マニュアルで、ショートギア比と機械式デファレンシャルを組み合わせることで、ダイナミックな走行性能を実現している。
シャシーは『イプシロンラリー4』と同じものを使用し、FIA規格に準拠した安全性を確保している。ホモロゲーション取得済みのロールバーや国際基準を満たす安全システムを装備し、高い安全性を誇る。ブレーキシステムは前輪302mm、後輪290mmのディスクブレーキと機械式ハンドブレーキを採用している。
価格は3万8900ユーロ(約661万円、税抜)に設定され、「レースレディ」状態で販売される。ステランティス・モータースポーツ・レーシングショップで注文受付を開始しており、夏以降に納車が始まる予定だ。
ランチアのルカ・ナポリターノCEOは「イプシロンHFレーシングにより、ロードレースへの参入障壁を完全に取り除き、高性能、安全性、低運用コストを組み合わせたモデルを投入する。モータースポーツを若者にとって真の機会とし、才能が開花し成長できる場所にすることが目標」と述べている。
今回の発表は、ランチアのモータースポーツ復帰戦略の一環として位置づけられている。同社は2024年初頭にイプシロンラリー4を発表し、FIAラリー4カテゴリーでの本格的なモータースポーツ復帰を果たした。さらに、単一ブランドカップ「トロフェオ・ランチア」も開催している。
伝統のHFロゴも復活を遂げ、今後のランチア高性能モデルの象徴として位置づけられる。HFは常にランチアの最も大胆な車両のシンボルであり、ブランドの将来ビジョンにおいて中心的な役割を担うことになる。