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レクサス『RZ』に新バッテリー搭載で改良、充電時間短縮と「航続95km延長」実現
レクサスは、EV専用車の『RZ』の改良新型を2025年後半から欧州市場で発売すると発表した。今回の改良では、EVパワートレインの全要素が見直され、性能と効率性が大幅に向上している。
最大の変更点は、容量77kWhの新しい大容量リチウムイオンバッテリーパックの採用だ。バッテリーセルの構造を見直し、セル数を増加させることで、eAxle(eアクスル)からの高出力を可能にした。外形寸法は変更せず、車両フロア下に完全に収納される設計を維持している。
新バッテリーには水冷システムが搭載され、高負荷条件下でも最大出力を維持し、セルの劣化を抑制する。冷却システムはエアコンシステムと効率的に連携し、外気温に応じて冷媒やラジエーター冷却を使い分ける。
充電性能も大幅に改善された。従来の11kW車載充電器に代わり、22kW車載充電器を標準装備。さらに、バッテリー予熱システムを新搭載し、充電前にバッテリーを最適温度まで加熱できる。
寒冷地での効果は特に顕著で、レクサスの試算ではマイナス10度の環境下で10%から80%までの充電時間が、予熱機能なしの55分から30分に短縮される。この機能はマルチメディアシステムで手動操作するか、ナビゲーションで充電地点を設定した際に自動作動する。
eAxleも改良され、損失の低減と高出力化を実現。新しい22kW車載充電器と合わせて、3つの異なる出力オプションを持つ新RZラインナップを構成する。
これらの技術改良により、航続距離も大幅に向上。18インチホイール装着のFWDモデルでは、従来型RZと比較して最大568km(従来比プラス95km)の航続を実現している。