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再建の「起爆剤」となるか? ダイハツ3年ぶり新モデル、日産新型EV「N7」が中国で人気[新聞ウォッチ]
「トランプ関税」をめぐる自動車業界への打撃など、このところネガティブな暗い「バッド・ニュース」ばかりが目に付くが、きょうの各紙には久しぶりに明るさを取り戻すような「グッド・ニュース」も目にとまる。
ダイハツ工業が、11年ぶりに全面刷新した主力車種の軽乗用車『ムーヴ』の販売を開始したと発表。2023年12月に衝突試験などの認証不正を公表して以降、初めての新モデルの投入となる。約3年ぶりに行われた新車発表会で、当時の経営陣が引責辞任後、親会社のトヨタ自動車から送り込まれた井上雅宏社長は「良品廉価がダイハツの使命。小さな車は時代のニーズにも合っており、新型ムーヴは再スタートの第一歩だ」と強調した。
きょうの各紙も「ダイハツ3年ぶり新車投入、認証不正後初『再スタートの第一歩』」(産経)などと取り上げているが、この日発表の新型ムーヴは1995年の販売開始から7代目だが、30年間の累計販売台数は340万台を超える看板車種。ダイハツでは新モデルの投入をテコにして不祥事で落ち込んだ販売の立て直しを急ぐ狙いのようだ。
その「不正公表後初の新モデル」を発表したダイハツの記事とともに、きょうの各紙の経済面には、経営再建中の日産自動車が、中国で4月末に発売した電気自動車(EV)『N7』の受注が、約1カ月で1万7000台を超えたという明るいニュースも。N7は、現地合弁「東風日産」が開発を主導した初のモデルで大幅なコスト削減に成功。AI(人工知能)を活用した自動運転機能や、中国で人気の大型ディスプレーなどを備えるほか、航続距離は最大635kmという。
同じ価格帯のEVセダンで比べると、中国トップクラスの売れ行きで、低迷する中国市場での反転攻勢を目指すそうだ。
また、日産では「今後は、日本を含めて中国以外への輸出も検討。深刻な販売不振に苦しむ中国事業の立て直しのきっかけとなるか、注目される」(読売)とも伝えている。
2025年6月6日付
●スズキ「スイフト」生産停止、中国レアアース規制、部品調達遅れ(読売・2面)
●飲料トラック自動運転、6社実証実験、高速道路で「レベル2」 (読売・8面)
●日産EV中国で人気、「N7」 (読売・8面)
●車関税引き下げも提案、日本側、要求撤廃は崩さず(朝日・1面)
●ダイハツ、新型「ムーヴ」発売、全面改良11年ぶり、不正公表後初の新モデル (朝日・7面)
●記者への攻撃「厳正に対処」日本新聞協会が声明 (東京・4面)
●関税対抗、中国レアアース規制、日米欧の車生産打撃 (日経・1面)
●トヨタ再構築(下)「御三家」織機も市場退出、電動化、ケイレツに変化の波 (日経・15面)
●中古車競売価格2%安、5月新車販売回復で出品増(日経・21面)