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通常の4倍の性能!YASAが次世代モーター「アキシャルフラックスモーター」専用工場を開設

  • 《photo by YASA》
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メルセデスベンツの傘下で、英国に本拠を置くYASAは、オックスフォード近郊のヤーントンに同国初となるアキシャルフラックスモーター専用の大規模製造施設を正式に開設した。

同社は約1200万ポンドを投資し、年間生産能力を2万5000台以上に拡大する。

アキシャルフラックスモーターは従来の電気モーターと比較して最大4倍の性能を発揮するとされ、電気自動車や混合動力車の性能向上に貢献する次世代技術として注目されている。YASAはこの分野で世界をリードする企業として、設計・開発・生産の全工程で革新を進めている。

新設された約5600平方mの最新工場には、YASAの要件に合わせて特別に設計された最先端の製造技術が導入されている。具体的には、独自構造のコイルとバー製造セル4基、最新のCNC制御によるコイル巻線・組立・含浸プロセス、レーザーストリッピングとブレージング技術、高精度ローターバランシング、大容量オーブン、ステーターレーザー溶接、寸法・電気・漏れテストを含む完全なステーター品質管理システムなどが備わっている。

新施設では全ての生産工程が一つの屋根の下に集約され、高度な自動化と効率的な生産ラインにより、精密で品質重視のシームレスな生産システムが構築された。これにより部品供給チェーンのボトルネックを解消し、完全なモーターセットの製造能力が向上するとともに、再現性と信頼性の改善、さらなる柔軟性の導入が可能になるという。

YASAは英国先進推進センター(APC)との長期的な関係を通じて、ヤーントン施設の当初の開発を実現した。今回の最新技術を駆使した拡張は民間資金で行われたが、同社はAPCと緊密に協力し、アキシャルフラックス技術の次世代開発を進めることで、最先端の電気モーター革新が今後も英国に根付くことを目指している。