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損保ジャパン日本興亜など3社、レベル4実証向けソリューションの共同開発で提携

  • 《撮影 小松哲也》
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損害保険ジャパン日本興亜、ティアフォー、アイサンテクノロジーは2月15日、完全自動運転技術を利用したサービスの実証に必要なソリューションの共同開発で業務提携したと発表した。

3社は、完全自動運転技術を利用したサービスの導入を検討している自治体や企業向けに、その前段階となる実証実験に必要な事故予防・監視・補償の機能を備えたインシュアランスソリューション『Level IV Discovery(レベルフォーディスカバリー)』を共同で開発する。

損害保険ジャパン日本興亜の西澤敬二社長は同日都内で開いた共同会見で、「自動運転サービスの実用化に向けた実証実験には非常に多くの時間とコストがかかり、また支援する側のリソースも限られており、実証実験自体が思うように進んでいかない実態がある」と指摘。

その上で「こうした課題解決のために、ティアフォーの自動運転AI技術と、アイサンテクノロジーの高精度な3次元地図の作製技術、当社の保有する交通事故データあるいは事故防止のノウハウを融合したドライブシミュレーションを開発し、高度なデジタルリスクアセスメントを搭載した自動運転実証プラットフォームの構築を目指していく。これにより実証実験の時間とコストは大幅に下げられると想定している。従って多くの自治体や企業に活用頂けるのではないかと思っている」と共同開発に至った経緯を説明した。

アイサンテクノロジーの加藤淳社長は「今般の業務提携は、その高度なリスクアセスメントをデジタル環境で実現させることができる。まさに今後の自動運転の社会実装に求められる不可欠なアイテムと位置付けている」と、共同開発の意義を強調した。

一方、ティアフォーの創業者で取締役CTO(最高技術責任者)を務める東京大学大学院の加藤真平准教授は、レベルフォーディスカバリー活用のメリットについて「シミュレーションやリスクアセスメントの自動化が進めば、すべてのリスクが洗い出せて、そこで(自動運転)サービスを展開できるかどうかという判断が、これまで1-2か月かかっていたものを、数日でできるになっていく」との見通しを示した。

今後のスケジュールに関して西澤敬二社長は「レベルフォーディスカバリーは、プロトタイプの開発をこれから進め、2019年後半には試験提供を開始したい。遅くとも2020年後半には国内全域でソリューションとして提供していきたいと考えている」と話していた。