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あの頃と今、デートカーの違い:ホンダ プレリュードコンセプト…ジャパンモビリティショー2023

  • 《写真撮影 中野英幸》
  • 《写真撮影 高木啓》
  • 《写真撮影 中野英幸》
  • 《写真撮影 中野英幸》
  • 《写真撮影 内田千鶴子》
  • 《写真撮影 内田千鶴子》
  • 《写真撮影 中野英幸》
  • 《写真撮影 中野英幸》
  • 《写真撮影 中野英幸》
  • 《写真撮影 中野英幸》

ホンダはジャパンモビリティショー2023に市販前提のコンセプトモデル、『プレリュードコンセプト』を出展した。2人の特別な時間をテーマに開発中のハイブリッドモデルである。早速開発責任者にその特徴について話を聞いた。

◆アンリミテッドグライド
—-:プレリュードという名前が復活しましたね。まずはその経緯から教えていただけますか。

本田技研工業四輪事業本部四輪開発センターLPL室LPLチーフエンジニアの山上智行さん(敬称略):名前ありきでスタートしたわけではなく、いまの社会やお客様の潜在的なニーズ、そして、ホンダのモジュール戦略や最新技術、さらにこの後ホンダが向かうべき道など様々なことを考えながら、まずはグランドコンセプト、“アンリミテッドグライド”を定めました。グライダーのグライドです。このコンセプトをもとにデザイン、ダイナミクスといったところを練り上げていきました。

結局のところ、ネーミングが最後についてきたというようなところもあるんですけど、いまの時代として意識したのは、ジェネレーションX。当然私もそうなので、自分だったらどうだろうというところから話は始まっています。プレリュードは所有したことはないのですが、当時から既に30年近く経っているんですね。そうすると世の中も変わり、自分も家族が増え、当然子どもがクルマに乗る世代になってきています。つまりジェネレーションXとZがちょうど交錯、交流をしながら高め合っているというイメージになったんです。

ですから、プレリュード世代の方(ジェネレーションX)にとってはヘリテージなんですが、ジェネレーションZ世代ではプレリュードなんか知らないんです。しかし、親世代から昔のキラキラした思い出を聞いたり、ジェネレーションXの親子さん世代は子どもたちが世の中でやっていることを真似したり勉強したりする。こういった交錯した時代なんですね。

そしてこの先の電動化時代への先駆け、すなわちプレリュードという名前が先駆けという意味であったり、前奏曲という意味もあるので、まさにホンダがこれから向かうべき道の、本当に序章であるとともに、昔のプレリュードと様々なストーリーも重なった結果、現代にもう一度プレリュードが舞い降りてきたと捉えていただきたいんです。

◆二人の特別な時間
—-:今回あえて2ドアクーペにしたのはなぜなのでしょう。

山上:2人の特別な時間というのも今回のテーマに入っているんです。まさにスペシャリティということですね。2人の方に特別な時間を過ごしていただきたいという考えです。この2人というのは夫婦で荷物を載せてグランドツーリングに行くというシーンだけでなく、娘さんがゴルフに行くときにお父さんが送っていくとか、お母さんと娘さんが二人でお茶しに行くとかを考えたんです。そうすると、それっていまのデートなんじゃないかと。昔、プレリュードはデートカーといわれていましたので、現代におけるデートを楽しんでもらえるような価値観もあるのではないかと思っています。

◆滑空とスタント、グライダーのイメージを表現して
—-:2ドアクーペですからもちろんデザインも重要です。その特徴を教えてください。

山上:先ほどグライドをテーマにしていると申し上げましたが、グライダーが持つようなスムーズでクリーンなイメージがデザイナーのインスピレーションになっています。まさに大空を滑空するようなイメージですよね。そしてクリーンなところでは、風の流れや、グライダーは機能部の塊なので、そういうところをインスピレーションにしてゴテゴテしたような加飾はなく、かといってシンプルという言葉で片付けるにはちょっと違う印象でデザイナーは仕上げていっています。

実は最初、スポーツという言葉が出た時にサーキットを走るとか、人によっては戦闘機みたいなものをイメージしていたんです。しかし、いろいろ議論を重ねる中で、社会環境も変わっていますから、そういう中でいうと、戦闘機ではなくてグライダーじゃないかと。そしてそのグライダーは実はスムーズに滑空するだけではなく、スタント飛行もできるような乗り物ですから、その点でもこのクルマのイメージにあっていると思っています。

今回はダイナミクスのお話はできないのですが、そういった点は次のお楽しみということで、ここからいろいろ想像していただいて、その時をお待ちください。

—-:軽快な走りが楽しめそうですね。最後にこのクルマで語っておきたいことがあればお願いします。

山上:本当に私自身、心から欲しいと思いますし、社内でも予約リストができるくらいです。なかなかこの手のクルマは事業を考えると台数も多くないのですが、二人の時間を大切にしたいというお客様が多くいらっしゃることを期待しています。発売日は必ず来ますので、楽しみにお待ちいただければと思います。