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デンソーのグループ会社が米社に出資…半導体IPを設計・開発、自動運転の開発を加速

  • 《撮影 石田真一》

デンソーのグループ会社で、半導体IP(集積回路資産)の設計・開発を行うエヌエスアイテクスは、自動運転技術の実現に向けた高性能半導体「エッジプロセッシングユニット(EPU)」の開発を加速させるため、米国quadric.io社にリードインベスターとして出資した。

エヌエスアイテクスは、従来型のプロセッサーであるCPU(中央処理装置)やGPU(画像処置装置)とは特性が異なる新領域プロセッサー「データフロープロセッサー(DFP)」の開発を行っており、2020年代前半の実用化を目指している。DFPは、その時々の情報量や内容に合わせて演算領域を瞬時に最適化することで、消費電力や発熱を抑えながら、複数の複雑な演算を反射的に処理することができる。

今回、同社が出資するquadric.io社は、米国カリフォルニア州に本社があるスタートアップ企業で、産業用機器向けのEPU開発技術を有している。EPUは、リアルタイムで状況を認識・判断するシステムの処理遅延を最小化できるため、消費電力や発熱を抑えながら、大量の演算を反射的に処理することができる。エヌエスアイテクスは、quadric.io社に出資することで、EPUに車載向け仕様を織り込んだ高性能半導体の開発を加速させる。

例えば、自転車が飛び出してくる場面においては、瞬時に自転車を認識し、次の行動を判断する必要がある。エヌエスアイテクスは、DFPと今回開発するEPUを組み合わせることで、複雑かつ大量の演算を可能にし、認識・判断における反射的な処理を実現。これにより、より広い範囲を認識し、状況に応じて瞬時に判断する自動運転技術の開発に貢献する。