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【ホンダ N-BOX 新型】ポイントは視覚効果…運転のしやすさと車内空間の快適性

2023年秋発売予定の新型ホンダ『N-BOX』。その実車及びデザインが、報道向けに先行公開となった。

3代目となる新型N-BOXは自分や家族だけでなく、仲間とも楽しむ「みんなのN」をテーマに、「幸せな生活リズム」をつくる「HAPPY Rhythm BOX」がグランドコンセプトとなっている。

「運転に不安のある人も堂々と運転できる」「大人もみんながのびのび過ごせる」、「子供も気軽に使える優しい配置」といった初代から続く『N-BOX』の価値を高めるため、車内デザインもさらなる変更が加えられた。

特に大きな変更点として、インパネ周りがすっきりとして見やすい水平基調となった。これにより車幅感覚やロール姿勢を認識しやすくなり、運転が苦手な方でも「安心」して運転することができるという。

また、車内空間のサイズはほぼ変わらず、高さが5mmほど増えたのと、後部ショルダールームが55mm拡大された程度だが、特に後部座席に座ると「従来型より広くなった」と感じる人が圧倒的に多いという。

株式会社ホンダ技術研究所デザインセンター・パッケージデザイン担当の飯泉麻衣氏によると、その答えは「色による視覚効果」にあるそうだ。

車内全体をひとつの空間──リビングのようにデザインし、インテリアでシートより上のラインは明るく、逆に足元は暗くすることで、上に向けて空間が広がるような広々とした感覚を受ける。

運転のしやすくなるインパネデザイン、車内の快適性の向上は、どちらも人間の視覚を利用しているというのが面白い。

もちろん視覚的なものだけでなく、インテリア各所の角を丸くする"カドマル処理"、子供も一人で乗り降りしやすくなる"楽々グリップ"、後部シートの子供が乗り降りの際によく触るフチ部分を汚れが目立ちにくい黒にするなど細かい変更によって、より快適でくつろげる空間づくりがされている。

これらの変更は「開発スタッフがN-BOXに実際に乗りながらアイディアを出していった」とは飯泉氏の談。実はN-BOXのサイズ感や乗り心地については従来型で完成していたのか、ユーザーからそれ以上を求める声はあまりなかったそうだ。そこに新たなピースを加えたのはスタッフの「もっとN-BOXを楽しくしたい」という気持ちなのだろう。

他にもスタッフのアイディアで、グローブボックスから充電ケーブルを挟まずに出せる隙間や、自転車を荷室に乗せる際に車輪を通しやすく、さらに積載中安定しやすくなる窪みなども追加されている。

もちろんHondaSENSINGやホンダの軽自動車初となる大きくて見やすい7インチTFT液晶メーターの採用といった、安全面、機材面で最新の装備も搭載されている。

従来のN-BOXらしさ、便利さはそのままに、より快適により楽しく。N-BOXは「総合力の高さが強み」であると発表会では語られたが、何かをとがらせるのではなく、すべてをちょっとずつ便利にするだけで、より総合的な価値が上昇したのが3代目N-BOXと言えるだろう。