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フェラーリ、1030馬力のPHEVオープン『SF90 XX スパイダー』発表…世界限定599台

  • 《photo by Ferrari》
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フェラーリは6月29日、2ドア電動オープンスーパーカー『SF90 XX スパイダー』(Ferrari SF90 XX Spider)を欧州で発表した。世界限定599台を生産する計画だ。

◆アルミ製のリトラクタブルハードトップは14秒で開閉可能
フェラーリは過去20年にわたって、「XXプログラム」を実施してきた。このプログラムでは、高度な運転スキルを備えたカスタマードライバーを対象に、公道走行は認可されていないものの、サーキットを限界走行できるモデルを用意してきた。このプログラムから生まれたモデルのひとつが、『エンツォ・フェラーリ』をベースに開発されたサーキット専用車『FXX-K EVO』だ。

フェラーリは、このプログラム得られた経験を生かして、公道走行可能な初の「XXモデル」、『SF90 XXストラダーレ』と、そのオープン版のSF90 XX スパイダーを発表した。

SF90 XX スパイダーには、アルミ製のリトラクタブルハードトップを装備する。14秒で開閉できるだけでなく、45km/hまでなら走行中でも開閉することができる。コックピットの気流を最適化することで、ルーフを開けても、優れた快適性が確保されているという。

◆0~100km/h加速2.3秒で最高速は320km/h
SF90 XX スパイダーは、フェラーリのプラグインハイブリッド(PHEV)スーパーカー『SF90スパイダー』がベースだ。排気量3990ccのV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、吸排気ダクトのポリッシュで効率性を高め、燃焼室への特殊な機械加工と新ピストンによって圧縮比を引き上げた。また、二次空気導入装置を排除して、エンジン重量を3.5kg削減している。

最大出力を780hp/7500rpmから、797hp/7900rpmに17hp強化。最大トルクも81.6kgm/6000rpmから、82kgm/6250rpmに0.4kgm向上した。3個のモーターには、エクストラブーストを可能にする特許取得のビークルダイナミクスロジックを採用した。フェラーリの市販車としては初採用のビークルダイナミクスロジックにより、モーターの最大出力は220hpから233hpに13hp強化する。エンジンとモーターを合わせたPHEVシステム全体のパワーは、1000hpから1030hpに30hp引き上げられた。

トランスミッションは8速デュアルクラッチ「F1」だ。『デイトナSP3』で導入された特許取得のロジックを採用し、ダイナミックな加速特性を追求する。この新ロジックは変速時のサウンドも向上させた。駆動方式は4WDだ。SF90 XXスパイダーは、0~100km/h加速2.3秒、最高速320km/hの性能を可能にしている。

◆クーペ版と異なるオープンならではの専用デザイン
フェラーリ・スタイリング・センターは、リアに加えられた変更を利用し、ひと目でそれと分かるアーキテクチャーを生み出した。フェラーリの伝統のリアのフライング・バットレスと、フロントの矢のテーマとをシームレスに調和させた。その結果、ボディが前方に伸びて見える視覚効果が生まれ、クーペ版のSF90 XXストラダーレとはまったく異なる印象を追求している。

また、車両の重心も下がって見え、とくにサイドビューで顕著、と自負する。これはルーフ部分の効果だけではなく、ウィンドスクリーンがラップアラウンド形状で、サイドウィンドウとシームレスに溶け込み、フライング・バットレスがクーペ版のSF90 XXストラダーレよりも低いためだという。

ルーフを格納すると、ロールバーが展開する。ロールバーはカーボンファイバー製とし、フライング・バットレスが作り出すワイドで低い印象を損なわないようにした。これにより、車両全体の低さを視覚的に強調している。ルーフを展開すると、ロールバーはルーフ構造とつながるように一体化。ロールバー同様、ルーフもカーボンファイバー製、としている。