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ロールスロイス初のEV『スペクター』、航続530km…グッドウッド2023に展示予定

  • 《photo by Rolls-Royce Motor Cars》
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ロールスロイス(ロールス・ロイス・モーター・カーズ)は7月10日、ブランド初のEVとなる大型ボディの2ドアクーペ『スペクター』(Rolls-Royce Spectre)を7月13日、英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」に出展すると発表した。

◆ツインモーターは最大出力584hp
ロールスロイスは2030年までに、すべての製品を電動化する目標を掲げている。スペクターは、この目標の実現に向けて、重要なモデルに位置付けられる。

スペクターのEVパワートレインのモーターは、フロントが最大出力258hp、最大トルク37.2kgm、リアが最大出力489hp、最大トルク72.4kgm。システム全体で最大出力584hp、最大トルク91.8kgmを引き出す。パワフルなツインモーターは、0~100km/h加速4.5秒の性能を可能にする。

また、リチウムイオンバッテリーの蓄電容量は102kWh。1回の充電での航続は、最大で530kmに到達する。出力195kWの急速チャージャーを利用すれば、バッテリーの容量の80%を約34分で充電できる。

◆前面空気抵抗を示すCd値は0.25
フロントには、スプリットヘッドライトが配され、ロールスロイス史上最もワイドなグリルと組み合わせられた。「パンテオングリル」のベーンは断面がより滑らかになり、段差なく取り付けられており、フロント周りの空気を導くように設計されている。

ゆったりとした角度がつけられ、磨き上げられたステンレス製グリルは、周囲の光の反射を利用してスペクターの存在感を高める。このグリルは、延べ830時間に及ぶデザインモデリングと風洞実験の成果となる新しい「スピリット・オブ・エクスタシー」とともに、前面空気抵抗を示すCd値0.25を達成した。スペクターはロールスロイス史上、最も空力性能に優れるという。

シャープなデイタイムランニングライトが、2080mmの全幅を強調する。夜間にスペクターの姿を際立たせるために、フロントグリルはソフトなイルミネーションで照らされた。22個のLEDがサンドブラスト仕上げのベーンの裏側を照らし、その光が磨き上げられた前面に反射するようにした。

◆「マジック・カーペット・ライド」を視覚的に表現したエクステリア
スペクターのボディサイドの下側のラインは、「ワフト・ライン」(ふわりと浮かぶライン)と呼ばれ、ヨットのデザインから着想を受けたものだ。このワフト・ラインは「マジック・カーペット・ライド」を視覚的に表現したもので、前方に進みながら上に向かう緩やかな曲線が、加速するパワーボートの船首が緩やかに持ち上がる様子をイメージしているという。

スペクターのリアは、ファストバックとした。グリーンハウス表面のシームレス化は、ロールスロイス史上最も低い空気抵抗係数の達成に貢献している。ルーフラインの後端では、Aピラーからラゲッジルームまで続くロールスロイス史上最大の単一ボディパネルにテールランプが組み込まれた。縦長の宝石のようなテールランプは、どのボディカラーに対してもニュートラルな無色で仕上げられている。

スペクターのボディサイズは、全長5453mm、全幅2080mm、全高1559mm、ホイールベース3210mm。スケールに対してバランスを取るために、およそ100年ぶりに23インチホイールを装備した市販2ドアクーペになるという。

◆逆ヒンジで開くドア
インテリアには、ロールスロイスの市販車として初めて、4796個の淡く光る星を組み込んだスターライトドアが用意された。このドアは、ヘンリー・ロイス卿と設計チームが冬を過ごした南フランスの入り江にちなんで名づけられた「カナデル・ウッド・パネリング」仕様で注文することも可能だ。

また、幽玄な夜のテーマは、スペクターのイルミネーテッドフェイシアにも反映された。助手席側のダッシュボードには、5500個以上の星の集まりに囲まれた「スペクター」の銘板が組み込まれた。この銘板は、車が走行していない時には見えないという。

逆ヒンジで開くドアを採用した。駐車時の角度が縦向きでも横向きでも、無理なく同じ速度でドアを開閉できるよう、調整されている。