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ゴルフカートをベースに自動運転、ヤマハの低速モビリティに試乗してみた…CES 2019

  • 《撮影 会田肇》
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ヤマハ発動機は、1月8日から11日(現地時間)、米国ラスベガスで開催された家電ショー「CES 2019」へ出展。1マイルの近距離移動を想定したオンデマンド型の低速小型モビリティをはじめ、産業用無人ヘリコプターなど、AIを組み込んだソリューションを展示した。

低速小型モビリティは、ゴルフカートをベースに開発したシンプルな構造を持つ「Public Personal Mobility」で、用途に応じて人や物を混載した移動や、移動販売車としての利用も想定するなど、多彩なカスタマイズ性を備えている。将来的な完全な自動運転化も見据え、AIによる顔認証登録などのコミュニケーション機能を搭載。会期中は、CES会場内の屋外道路を使ったデモ走行を体験できるイベントも開催した。

デモ走行に使われる車両は4人乗りで、特設道路上に敷設されたワイヤーに沿って走行する。昨年は路面認証を採用したが、天候の変化にも強いこの方式に変更した。AI車掌が乗車全員を顔認証で確認するとスタート。走行中はフロントに取り付けられたステレオカメラによって前方を捉え、人などの障害物を発見した際は自動的に停止する。また、乗客が任意に停止させたい時は手をかざせばいいし、再び発進したいときは乗客全員が指でサムズアップすればいい。

ワイヤー上に沿って走行するため、動きはかなり安定している。カーブにしてもほぼ指定通りに曲がっていくし、複雑なルートがあっても確実にトレースしていく。インフラとしてワイヤーの敷設は必要になるものの、車両にはカメラとワイヤーをトレースする機能さえ持てばよく、LiDARやミリ波レーダーといった高価な機材を搭載する必要もない。インフラ側でワイヤーの敷設は必要だが、車両は低コストで車両の追加は容易になるのだ。

ヤマハ発動機の上席執行役員で先進技術本部長を務める藤田宏昭氏は「現在、弊社が中心になって『街並みラボ』というフォーラムを作おり、そこでは最高速度19km/hの低速で走行し、ランドアバウトを使って信号なしで走行できる社会の構築を自治体に提案しています。低コストで自動運転車を導入できれば、多くの車両が投入できて便利さが増し、それは住民の増加へとつながって自治体も潤うようになると思うんです」とPublic Personal Mobility普及への期待感を示した。

またヤマハは、機体の大型化で搭載能力を従来比2倍の70kgにまで向上させた「次世代産業用無人ヘリ」を参考出展。衝突回避する飛行制御機能も改良し、山岳地帯などの複雑な地形で発生しがちな乱気流にも強い飛行を可能としている。また、様々なアプリケーション用機材と組み合わせることで自動飛行による物流や、計測、点検、空撮、監視などの多彩なエア・ソリューションを提供していく考えだ。