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自家用有償のオンデマンド型送迎サービスに自動運転レベル2 愛知県春日井市で
NPO法人の石尾台おでかけサービス協議会などは、愛知県春日井市石尾台地区で、自家用有償旅客運送で提供中のオンデマンド型送迎サービスを自動運転レベル2で運行する。
自家用有償で行うオンデマンド型の自動運転送迎サービスを、住民主体のNPOが運用するのは、国内で初めて。
高齢化が進んでおり、地形的に坂が多い春日井市石尾台地区では、春日井市、名古屋大学、KDDIが自宅付近から目的地まで移動できるオンデマンド型自動運転送迎サービスの実証実験を、2021年6月から8月に実施した。その後、石尾台地区の住民が、地域の交通課題を解決することを目的に、おでかけサービス協議会を設立した。
協議会による運行管理システムの試験運用などを経て、今回、会員を対象に1回100円の有償で継続的なサービスを提供する。あらかじめ決められた128カ所の停留所に加え、運行ルートの範囲内であれば乗客が指定する場所での乗降が可能。自動運転ができない区間では手動で運転する。
サービスでは、KDDIとKDDI総合研究所が開発した、複数予約の運行経路設定や、相乗り調整を自動で行う運行管理システムを利用する。システムは、運行負担が少なく地域住民でも利用可能なため、春日井市と同様の課題を持った自治体の地域住民にも活用できるとしている。
システムは、オンデマンド走行する、ゆっくりカートの乗車予約管理、配車調整、運行経路の設定と自動運転システムへの登録などの機能を自動化する。これによって、乗車予約を受け付ける電話受付オペレーターや、自動運転システムへの経路を登録する車両オペレーターの負担を軽減する。特別なノウハウが不要で、自動運転サービス提供における課題解決に貢献する。
2021年6月から8月に実施した実証実験の結果を踏まえ、システムの操作性向上、運行距離の計算機能の導入、予約状況の閲覧用アカウントを導入して利便性を向上した。