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マツダのロータリーエンジンが復活、新たな姿で…MX-30 e-SKYACTIV R-EV[詳細画像]

  • 《Photo by Mazda Motor Europe》
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  • 《写真提供 マツダ》
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マツダの欧州部門は1月13日、ベルギーで開幕されたブリュッセルモーターショー2023において、新開発のロータリーエンジンを積む小型クロスオーバー車のプラグインハイブリッド(PHEV)モデル『MX-30 e-SKYACTIV R-EV』を初公開した。

2021年にマツダ初の量産EVとして登場したMX-30。航続距離や家庭用電源としての利用といった利便性向上を狙い生まれたPHEVモデルには、なんと発電用エンジンとして『RX-8』以来約11年ぶりとなるロータリーエンジンが採用された。

◆軽量コンパクトなロータリーエンジンの利点を生かす
航続距離への不安がいまだに根強いバッテリーEV(BEV)。マツダは新たな解決策として、オール電化システムをベースに発電機と小型エンジンを組み合わせた“シリーズハイブリッドシステム”を採用した。

MX-30 BEVモデルと同じく100%モーター走行や充電・給電機能を確保し、電気のみでの航続距離は85kmが目標とされたPHEVモデル。ここに最大出力55kW(74PS)/4700rpmの830cc、新開発シングルローターエンジンが追加された。

同出力のレシプロエンジンよりも軽量コンパクトなレイアウトが強みのロータリーエンジン。これによって17.8kWのリチウムイオン電池と50リットルの燃料タンクを搭載しながらも、妥協のない走りや室内空間を確保しつつBEVモデルと同様の最高速度140km/hを実現した。

EVの静粛性と滑らかな走りに、ガソリンエンジンの強力なアシストが加わるe-SKYACTIV R-EVには「ノーマル」「EV」「チャージ」と3種類の走行モードが用意された。夜間などの走行で静粛性を重視したい場面はEV走行を優先したり、キャンプ等の出先でクルマから電力を供給したい場面ではエンジンによる発電を多用するなど、エンジンによる発電量やタイミングを用途に合わせ調整することが可能だ。

◆EVとしての充電・給電機能も充実
e-SKYACTIV R-EVは普通充電(AC)に加えて急速充電(DC)にも対応。さらにはCCS(Combo)などにも接続可能とのことだが、仕様は販売の地域により異なる。急速充電では約25分で充電完了するという。

また荷室のコンセントを利用して、1500Wまでの電化製品や機器を動かすV2L(Vehicle to Load)機能も完備。発電機としてのエンジンも搭載するMX-30は、レジャーや災害時に貴重な電力源としての力を発揮することができる。

◆“復活のR”、特別仕様車「エディションR」も登場
PHEVモデルの外装変更点は、空力性能を高めたアルミホイールとロータリーを示すエンブレムの2点。またe-SKYACTIV R-EVには特別仕様車として「エディションR」が設定される。

1967年に世界初の2ローターエンジン車『コスモスポーツ』を発売し、そこから長きにわたって200万台近くのロータリーエンジン車両を輩出してきたマツダ。メインのエンジンからレンジエクステンダーへと姿を変え、11年ぶりの復活を果たしたロータリーへの記念として生まれた特別モデルだ。

「復活(Return)」を意味するエディションR。ブラックの内外装にマツダ初の乗用車『R360』への敬意を示した「マローンルージュメタリック」をルーフサイド回りのアクセントとして加え、ロータリーエンジンのローターのデザインをモチーフとした専用のキーフォブ、フロアマット、ヘッドレストが用意されている。

カーボンニュートラル時代の流れに対応し、形を変えて蘇ったマツダのロータリーエンジン。今後搭載車種は増えていくのだろうか。まずは日本仕様の発表が待ち遠しい。