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ダイハツはあらゆる“楽しさ”を追求して…東京オートサロン2023 デザイン担当[インタビュー]

  • 《写真撮影 内田俊一》
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ダイハツは東京オートサロン2023に5台のコンセプトモデルと用品装着車を出展する。そのテーマは、“DAIHATSU VILLAGE2023 夢ふくらむ、はじけるダイハツ”。そこでデザインの担当者にその意図などについて話を聞いた。

◆CMFの提案を中心に
今回ダイハツではデザイン部、特にCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)のデザイナーが主体となってコンセプトモデルを開発。まず初めに、「来場された方々にどういう気持ちになってほしいかというところから考えていきました」と話すのはダイハツくるま開発デザイン部第2デザインクリエイト室CMFグループの里舘ひなのさんだ。

時代がニューノーマルな日々に向かっていく中、「物事にクリーンさを求める時代から、新しい日常に適応して行こうというポッピングな時代に進み、それぞれの個性を発揮していこうという機運が高まっていると考えました。そこで今回のテーマ、はじけるというコンセプトに繋がっていったのです」と説明。

そしてダイハツとして初の試みとして、CMFからの提案が主体となった。その理由を同社デザイン部第1デザインクリエイト室課長の芝垣登志男さんに尋ねると、「ダイハツデザインとして選考段階からCMFに入ってもらうことで、さらに面白く、またクオリティの高いモデルにしたいという思いがあったのです」と述べる。実はこれまでは、全てが出来上がった後にボディカラーや内装色を決めるという流れがあったようだ。そこを脱却したいという思いから、まずはこのオートサロンでトライしたのだ。

◆幅広いユーザーに向けて
東京オートサロン2023でダイハツがアピールしたい来場者層について里舘さんは、「モビリティの楽しさと、新しいカスタム表現を、特にZ世代のお客様や、カスタムユーザーのお客様に見て楽しんでいただきたいと思っています」という。そこで、「いまの時代感をジャンル分けして、そこから新しいクルマを提案できないかを考えました」とのこと。

具体的には大きく4つにジャンル分けされた。まずひとつは、「ふわちゃんやyoutuberの方がカラフルな世界を表現しています。クリアを求める時代から、このようなケミカルな世界観も受け入れられてきていますので“カラフルポップ!”というジャンルがあります」。そして、「エモイ系男子という存在もあるでしょう。ちょっとレトロ感があるような、これまでにあったものに対して愛着を感じるような若い人たちも増えています」。

次に、「“モフモフの世界”。ダイハツが、twitterでエイプリルフールの話題として“ミラモルモット”を取り上げるなどの面白い取り組みをやってみたり、あるいは動物がくれるような癒しの世界があるでしょう。これをモビリティに落とし込めないかというイメージです」。最後は、「“ぴえん”というものがあると思っています。クリーンな方向の世界に対してのアンチテーゼ的なことを訴えてる若い女の子たちも多く見られるようになりました。この4つに分類し、こういったジャンルに対してダイハツ車がどう組み合わせて行けるかということを考え、今回のそれぞれのモデルが完成したのです」と説明した。

◆あらゆる方面に楽しさを感じて
そういったジャンル分けを踏まえ、全体のテーマ、“DAIHATSU VILLAGE2023 夢ふくらむ、はじけるダイハツ”として、5つのコンセプトモデルを3つのカテゴリーで展開。里舘さんによると、「やはり走る楽しさを訴求していきたい。そこでサンデーレースのような世界観を表現していこう」ということで、『ハイゼットジャンボエクステンド』と『コペンクラブスポーツ』を展開。ハイゼットジャンボエクステンドは、伸縮可能な荷室を持ったレースサポートカーで、サンデーレーサーのコペンクラブスポーツとセットで見て欲しいとのこと。

そして、フィールドアクティブというカテゴリーでは、「アウトドアの楽しさっていうところを訴求していきたい」(里舘さん)という思いから、まずは『アトレーワイルドレンジャー』があり、これは、屋根に専用の舟を備えた1人乗りの探検車というもの。もう1台は、『タントファンクロス』で、キャンプのその先にあるアクティビティを親子で楽しむアクティブ軽とされた。

最後のカテゴリーはデイリーストリートとして、「それぞれの日常をもっと格上げしていこう」というコンセプトで、『タントカスタムRed/Black』を出展。これは、「特別なグラデーションペイントを施した往年のカスタムカーリバイバル」であるという。

そのほかにも用品装着車などを含め展示することで、「カーファンを元気にしていきたい」と芝垣さんはその思いを語った。