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アウディ『R8』、2WDの最終モデルは620馬力に強化…2023年欧州発売へ

  • 《photo by Audi》
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アウディは11月25日、高性能2ドアクーペ『R8クーペ V10 GT RWD』を2023年、欧州で発売すると発表した。V10エンジンを積む現行『R8』の後輪駆動車の最終モデルで、世界限定333台を生産予定。ドイツ本国でのベース価格は、22万5000ユーロ(約3230万円)だ。

◆0~100km/h加速は3.4秒で駆け抜け最高速は320km/hに到達
排気量 5.2リットルのV型10気筒ガソリン自然吸気エンジンは、最大出力が620ps、最大トルクが57.6kgmに引き上げられた。トランスミッションは新開発の 7速デュアルクラッチで、シフトチェンジの時間を短縮した。

車両重量はおよそ20kg軽量化され、1570kgに。0~100km/h加速3.4 秒、0~200km/h加速10.1秒、最高速320km/hの性能を可能にしている。

新たに「トルクリアドライビングモード」を採用する。後輪のスリップは、トラクションコントロールシステムの「ASR」によって、リアアクスルで制御される。7つの特性曲線がASRに保存されており、さまざまなレベルの支援を行う。レベル1ではほとんど後輪は滑らないが、レベル7では大きく滑る。ステアリングホイールのコントロールスイッチを回すことで、リアのトルクレベルを設定できる。車速センサー、ステアリング角度、アクセルペダルの踏み込み量、選択されたギアからの情報をベースに、エンジンコントロールユニットがリアアクスルに伝達するエンジン出力を制御する。

◆新開発のカーボン製エアロキット
R8クーペ V10 GT RWDには、専用のエクステリアパーツが装備されている。その特徴のひとつが、リアに配された黒いR8 GTのエンブレムだ。他のすべてのエンブレムも、ブラック仕上げとした。

ボディカラーには、艶消しのスズカグレーをはじめ、タンゴロットメタリックとデイトナグレーメタリックが用意されている。

風洞実験を経て開発されたハイグロス仕上げのカーボン製エアロキットにより、走行安定性が向上し、コーナリング速度も高められているという。このカーボン製エアロキットは、フロントスプリッター、フリック、サイドスカートカバー、リアバンパー側面のcW エレメント、ディフューザー、グースネックサスペンション機構付きリアウィングで構成されている。このインサートによって、ウイングのアンダーフローが最適化され、エアロダイナミクス効率が向上しているという。

◆強力なセラミックブレーキシステム
専用の20インチ10スポークホイールには、公道だけでなくサーキットでの使用も想定して設計された高性能タイヤ、ミシュラン「スポーツカップ2」を組み合わせる。鍛造ホイールは、アウディのモータースポーツ車両をベースにしており、軽量化に重要な役割を果たす。

『R8 GT』に標準装備されている強力なセラミックブレーキシステムにより、さらに軽量化を図った。R8バケットシートとカーボンファイバー強化プラスチック製のアンチロールバーを備えたパフォーマンススポーツサスペンションも装備する。フロントのアンチロールバーは、カーボンファイバー強化プラスチック製。腐食から保護する効果を発揮する赤い陽極酸化アルミで作られた2つのカップリングロッドコネクトと合わせて、重量を削減しながら、ロードホールディングとコーナリングのダイナミクスを向上させているという。

さらに、R8 GT用の車高調整式サスペンションをオプションで用意した。これにより、R8 GT同様、サーキットの特性に合わせて、圧縮およびリバウンドレベルを個別に調整できる。

◆インテリアに初代R8 GTへのオマージュを表現
インテリアは、2010年にリリースされた初代R8 GTへのオマージュをアウディ・スポーツが表現している。インテリアは、ブラックにレッドを組み合わせた。これには、2010年のR8 GTに設定されていた赤いシートベルトが含まれている。

セレクターレバーの手前には、限定車を示すシリアルナンバーを配した。フロアマットやR8バケットシートには、ブラック&レッドで、スペシャルモデルのロゴをあしらっている。